第7話「動き出す運命」

ここは遠い世界。王との賭けで「カッパーウルフ(銅狼)」の狩りを行っていた三人。その途中、狩場にあったトカゲ状の岩が動き出し銅狼を皆殺しにする。

幸いにも動きは遅い為三人は急いで逃げ出した。


現在地点 「小さな砂上船」


七話「動き出す運命」


本当に小さなこの船には艦長兼操舵手しかいない。

慌てて帰ってきた三人を見てこう言った。

「お客さん、どうしましたか。怪物でも出ましたかな。」

「トカゲみたいな岩が動き出したんだけど!」

「狼は皆殺されたわ。動きは遅いかったけど危険な生物ね。」

「いやー食べられちゃうかと思った・・・。」

「はぁ・・・そいつは多分カイザーザラマンダー(皇帝トカゲ)の子供ですな。そいつは大変なことになった。直ぐに帰りましょう!」

そう言って帆を広げ全速力で向かった。向かう途中朝日が昇ってくる。それと共に灼熱が帰ってくる。灼熱と共に接近する運命。

現在地点 砂漠の国「ロックスター」


広場には既に大勢の人が集まっていた。そしてそれらの視線を奪っているのは十字架に貼り付けられたかの男であった。未だ寝たままだ。こいつが本当に我が国の主力艦の乗務員を一人残し殺した奴なのか?一見はただ屈強な男に見えるが・・・。

船から降りた一行は王へ報告に向かう。

~王宮~

「ええっ!まだ寝てる!?」

「人を叩き起こして起きながら生意気な奴ね・・・。」

「船長さん教えてあげてよ。すごいのが現れたってね。」

「ええ、はい。この子達が狩りの途中でカイザーザラマンダーの子供を見つけたそうです。」

「何だって!動いていたか?そいつは。」

守衛は驚いた様子だった。

「えっと、動きは遅かったけど狼を全部やっつけて食べてたよ?」

「そうか・・・分かった。直ぐに王を起こして判断を仰ごう。外で待っていてくれ。」

それから数時間・・・。

「熱いわね・・・いつまで待たせる気かしら。」

「僕よりも寝坊助とは感心しないな~なんて。」

「あんたの寝坊にはいっつも苦労させられるんだから少しは直しなさいよ。」

そうこうしていると守衛が帰ってくる。

「待たせてすまない。王はやっと起きられた。これから判断するからもう少し待っていてくれ。朝食を用意したので良かったら食べてくれ。」

「やった!朝ごはん!」

「良かった。僕もうお腹ペコペコだよ。」

「食べ過ぎないようにね?二人共。」

三人は用意された豪勢な朝食を頂く。とても美味であり、量も丁度いい。何より異国の食事は旅行の醍醐味である。見たことのない野菜に果実、珍味な肉。この地域独特の調理法で仕上げられているが客人でも食べやすいようになっている。三人が満足したころであった。先程の守衛がやってきて三人に言った。

「王が目覚めた。もう少ししたら玉座に来てくれ。」


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