第20話復讐者
アランとレイミヤ、フラウロスは野宿をして朝を迎えた。
レイミヤはアランよりも一足早く起きて朝食の準備をした。
「今日の~朝は、目玉焼き~♪」
レイミヤは旅に出て初めて迎える朝に興奮していた。
アランが起きたのは朝食が出来上がった時だった。
「おはよう、レイミヤ。」
アランは眠たそうな声でレイミヤに挨拶をした。
「おはようございます、アランさん♪」
レイミヤは元気よく答えた。
レイミヤは完成した朝食を並べてアランに渡した。
フラウロスは森の方を凝視していた。
アランはレイミヤに出会うまでは悪魔と旅をしていたが一人での食事だった。
ほかの人と食べる食事は一人で食べるごはんよりも格段においしいことを実感した。
朝食を食べ終わると二人はかつ図家をして旅の出発の準備をした。
「マリウスまたお前の力を貸してくれ。」
アランは目をつぶりアンドロマリウスに話しかけた。
「分かったぞ、坊主私の力を使うがよい。」
アランは目に魔力を集中し始めた。
アランの目が蛇のような目に変わった。
レイミヤはアランが何をしているのか気になっていた。
「アランさん?何をしているんですか?」
レイミヤはアランの顔を覗き込んでみるとアランの目が変わっているのに驚いた。
「アランさん!?大丈夫なんですか!?」
レイミヤは口に両手を当て動揺していた。
「大丈夫これはマリウス、アンドロマリウスの力なんです。千里眼で次の悪魔を探そうとしているので大丈夫ですよ。」
そういうとアランは次の悪魔を探し始めた。
アランの目に移ったのは森の木々の中を高速に枝から枝へと飛び移る何かが見えた。
次の瞬間見えたものは止まり弓を構えた。
弦を引き狙いを定めると矢を射った。
アランは千里眼を使い矢がどこへ向かっているのか見ると、レイミヤに向かって一直線に向かっていた。
「フラウロス!!」
アランがフラウロスの名前を呼ぶときにはフラウロスは人の姿になっていた。
レイミヤは偶然にも矢が飛んでくる方を向いていた。
フラウロスはレイミヤの顔の前に手を伸ばすと矢が飛んできた。
矢はレイミヤの額ギリギリのところでフラウロスが止めた。
フラウロスは取った矢を燃やした。
「やっぱりあなたの言う通り当たらなかったわね。」
レイミヤに向けて矢を射った者がボソッとつぶやく。
「レイミヤ、大丈夫か?」
レイミヤは目の前で起こったことが分かっていなかった。
「いったい何が?」
レイミヤの顔は唖然としていた。
「何者かがあなたに向けて矢を射った。当たっていればあなたは恐らく即死だったでしょう。」
アランはレイミヤに何が起こったのか説明すると千里眼を使い矢を射ったものを探した。
そのものはものすごい勢いでアランの元へとやってきていた。
弓を背に背負いダガーを両手に持ち黒いローブを着たものはアランの元へ姿を現し上空から襲ってきた。
「燃えろ!!」
フラウロスはアランの目の前に出てきて炎の球を出した。
そのものは空中で体を回転させ炎をよけた。
軽やかに着地して再度アランに向かって突っ込んできた。
「フィアンマ・ムーロ!!」
アランとレイミヤを囲むように炎の壁が現れた。
炎の壁の直前で攻撃をやめ後方へジャンプした。
「攻撃をやめてくれ!!話し合わないか!?」
炎の壁の中でアランは襲ってきた者に提案した。
フラウロスは炎の壁を消すと立っていたのは弓を背に背負い、両手にはダガーを持ち黒いマントを羽織っていて、服装はショートパンツに半袖のような軽装で、銀色の長髪で髪の中からは尖った耳が見えていた。
「一体君は何者なんだ?なぜいきなんなりこんな真似をする?」
アランがそう聞くと
「私の名前はセツ。お前に復讐するために来た。」
そう言ってセツはダガーを構えた。
「復讐だって?だとしたら俺は違う。そんなことはしていない。」
アランがセツに説明するもセツはアランの話を聞こうともしないで再度攻撃を仕掛けてきた。
今度は、ダガーを一つレイミヤに向かって投げた。
「フラウロス!レイミヤを頼む!」
アランはセツから目を逸らしてフラウロスにレイミヤを守る様に命令した。
フラウロスはレイミヤに向かってきたダガーを炎で溶かそうとしたがダガーは溶けずフラウロスの手に刺さった。
「なんだ、このダガーは俺の炎でも溶けないだと!?」
フラウロスはダガーが刺さった手を抑えた。
アランはセツがいた場所に目を向けるがそこにはセツの姿が見当たらなかった。
「どこに行った!?」
アランはセツを探してあたりを見渡していた。
「アランさん後ろです!!」
レイミヤがアランにセツのいる場所を教えた。
アランは急いで後ろを向くとダガーの先をアランに向けて向かってきていた。
アランは咄嗟にナイフを構えたが運よく剣先を逸らしてアランとセツがにらみ合う形に持ち込んだ。
「俺は、何もしていない!!」
アランはセツを止めようとするために説得した。
「お前が覚えていないのも当然だ。あの女みたいに契約者を増やしているんだろ。その契約者が私の村を襲って私の家族を殺した。」
セツがアランを襲う理由を話した。
「確かに俺はレイミヤに悪魔と契約するように促したけど、彼女が初めてだ。」
そういうとアランはセツを蹴り距離を開けた。
「そんなはずない、お前は自分の親友にも悪魔を契約させただろ。そして使えないと判断して悪魔をまた回収した。違うか!?」
セツがアランに襲い掛かると横から炎が飛んできた。
「さっきからお前は邪魔よ。
ソロモン72柱の悪魔が一人地獄の公爵バルナトス、汝に命じる今ここに姿を現し私と共に戦え。」
セツが唱えると四つのトランペットが現れ音が鳴ると魔法陣が現れた。
魔法陣の中からは鷲の頭をして体は人間、灰色のマントを羽織り深紅の羽飾りがついた緑の帽子をかぶり、弓矢を構えた悪魔バルバトスが現れた。
「これはこれはフラウロス久しいな。こんな形で再会を果たすとは思ってもみなかったぞ。」
「こっちもだよバルバトス。」
バルバトスとフラウロスは過去に何かあったかのように二人の雰囲気は尋常ではなかった。
「バルバトスそっちは任せるよ。」
セツはバルバトスにフラウロスを任せてアランに向き合った。
「ならこっちは
ソロモン72柱の悪魔のうちの一人、地獄の総裁ハーゲンティ伯爵アンドロマリウスよ、汝らに命じる我の召喚に応じてその姿を現せ。」
アランはハーゲンティとアンドロマリウスを召喚した。
「マリウスはレイミヤを守ってやってくれ。」
アランがそう言うと
「分かった坊主。」
アンドロマリウスはレイミヤの前に行き警戒態勢をとった。
アランはハーゲンティとセツと二対一の状態で勝負に挑んだ。
フラウロス対バルバトス
アランとハーゲンティ対セツの戦いが始まった。
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