第8話旅立ち

ハーゲンティはロンから離れると魂だけとなりロンの体から出てきた。


ハーゲンティの魂は本の中へと入っていった。


本を回収した後アランは急いでアランの元へ駆け寄る。


「ロン!ロン!!大丈夫かロン?」


アランはロンの体を軽くゆすりながら話しかける。


すると、ロンは目を覚ました。


‐ゲホッ、ゲホッー


ロン最初にせきをした後話し始めた。


「アラン?ここはどこ?なんで僕は外にいるの?」


かすれた声でロンがアランに聞いてきた。


アランは目覚めたロンに抱き着いた。


アランは嬉しさのあまり涙を流してその場で泣いた。


ロンは何故アランが泣いているのかわからなかったが、意識があいまいになっていきまた気を失った。




「ハーゲンティを追ってる途中にもう一体の悪魔の気配がしてきてみたら、悪魔二人と契約しただと?


あの子は一体何が目的なのかしら?あなたはどう思う?」


「さあな、そんなことより俺との契約は守ってくれよ?」


「わっかてるわよ。」


アランとロンの様子を見ていた黒いローブを着た人物はその場を去った。


一人のはずなのにまるでもう一人誰かがいるかのように話していた。




~ハーゲンティとフラウロスの戦いから数週間立った後~


ロンの家を中心に町の一部は崩壊していた。


家を無くした人たちは町のはずれにある避難所に一時的にテントを張り生活していた。


ロンの背中には、ハーゲンティとの戦いのときにフラウロスがつけた爪痕が残っているだけで、ロンは元気になっていた。


アランは、町の人に現れた二体の悪魔が戦った後にどこかへ行ったと説明したが町の人は半信半疑で信じない人のほうが多かった。


ロンはアランのいう説明を疑うことなく信じた。


ロンは本から声が聞こえると知識がもらえると聞いたときにアランの助けに何かできるかもと思い悪魔と契約したという。


悪魔と契約した後の記憶はなく、気が付いたら目の前にアランがいたという。


アランは、ロンに町の人に入ってない真実を話した。


ハーゲンティの事、ハーゲンティのその後の事、フラウロスの事、自分が悪魔二体と契約している事を。


「ちょ、ちょっと待ってくれよ。いろいろありすぎて理解できないよ。家を燃やしたのがアラン自身だって?何を言ってるんだよ。」


ロンはあまりの出来事に理解が追い付いてなかったが、アランが自分自身の家を燃やしたことに納得ができなかった。


「俺が、望んだから、悪魔の言葉に惑わされて冗談でも望んでしまったから。」


アランはロンの顔を見れなかった。


真実をもっと前から知っていたのに、ハーゲンティという話すきっかけがあって初めて話したから。


これを後にアランはロンから距離をとった。


ハーゲンティの戦いの後が消えるように町は復興していた。


完全に復興したときにはアランは18歳になっていた。アランはまたロンの家族と一緒に生活していた。


ある日の夜、街の明かりが消えみんなが寝静まったとき、アランは一人荷物をまとめていた。


「荷物はこんなものかな。」


荷物の整理が終わりロンのいる部屋に向かった。


部屋の中には入らず、扉の前で


「ロン、じゃあな。」


そういうとアランは書置きを残してを後にした。


感謝の手紙も残して


「アラン?」


アランの一言で起きたロンがねぼけながら起きた。


町の門を出て見納めにと振り返った。


するとロンが真っ暗な街道を走ってきていた。


向かってくるロンを見て、アランは驚いていた。


「なんだよその荷物は、どこかに行くつもりかよ?」


ロンはアランに笑いながら聞いてきた。


ロンは冗談交じりのつもりで行ったのだろう。


「俺この町を出て旅に出るよ。」


アランは旅の目的を言わずにロンに背を向けて歩き出した。


「それだけかよ、なんで急にそんなこと言うんだよ。ずっと一緒に住んできてるのに変に距離をとって最近なんか余計に酷くなるし、俺がなにかしたんなら謝るよ、だから、戻ってきてくれよ。」


喋っていくうちにロンは涙を流していた。


「違う、違うんだロン、お前は何も悪くなんかない。だから気にしないでくれ。」


泣いているロンの肩をつかみ説明するアラン。


「じゃあなんで!!」


アランの手をつかみアランに質問する。


「怖いんだ、もしまたあの時みたいに今度はお前の家族を俺の家族みたいにしてしまうと考えるだけで怖いんだ。今までは、何とか耐えてきてたがもう限界だ。もう耐えられないんだよ。だからもう止めないでくれ。」


そういうとロンの手を振りほどきロンに背を向けた。


振り返り際に涙を垂らした。


ロンは何も言えなかった。


もし自分が同じ立場だったらと考えると自分だったら耐えられなかったから。


それでも、アランを止めようともう一度手を伸ばそうとするも途中で手を止めて、アランの背中を見ていた。


アランは町を後にして、一人森の中に入っていった。


月もそれを見送っているのか、月明かりがアランを照らしていた。


アランの影の右腕は炎に燃えていた。


一人森の奥深くに入ると目の前が急に真っ暗になりフラウロスが現れた。


「小僧、契約にのっとりお前の体を今貰うぞ。」


フラウロスが近づきアランの頭に触れようとするとフラウロスの手が弾かれた。


フラウロスは目の前で起きたことに驚いていた。


「なぜだ、なぜ契約通りにお前の体を手に入れられない。」


アランは、笑った。


初めて見るフラウロスの戸惑う様子が新鮮でアランは笑っていた。


アランを見てフラウロスは体の炎の勢いを強くして怒っていた。


「小僧、貴様は言ったよな目的が終わったら小僧の体をよこすと。あのガキを助けた後俺の寛大さで数年の猶予を与えたんだぞ。」


フラウロスはアランを指さし問い詰めた。


「俺が言った目的とは、ロンを助けることも目的の一つだが本当の目的は二度と俺と同じようなことが起きないようにお前ら悪魔を集めて封印する、

 Diavolo Collezionistaになることだ!!」

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