Diavolo Collezionista ~悪魔収集家~
レモン
第1話悪魔との出会い
ソロモン72柱の悪魔
かつてソロモンが使役していたとされる72人の悪魔。ソロモンは、72人の悪魔の力を使い国を作り、その国は豊かに栄えたという。しかしソロモンはあるとき突然72人の悪魔をある容器に封印し、どこかに隠した。ソロモンは、悪魔を使役していく中で人の手に余るものだとして封印したのだ。悪魔たちを封印した後ソロモンは姿を消した。ソロモンが姿を消してから数千年、悪魔たちのことは物語だけの空想上の生物として語り継がれてきた。
「おい、アランそろそろ帰ろうぜ。母ちゃんに怒られちまうよ」
声を震わせながらロンがアランをせかす。
「そんなに帰りたければ帰ればいいだろ。俺たち二人の秘密基地を作ってるんだからもっと協力しろよ。」
アランは、依光基地が完成した後のことを考えながら一生懸命に深く広く穴を掘っていた。
「・・・っちだ。」
「ロン、何かいったか?」
アランそう言いながら振り返ると、ロンの姿はなくなっていた。
「ロンのやつ一人で帰っちまったのかよ。」
そう言いながらアランは、一人地下の秘密基地づくりのための穴を掘っていた。
「・・やく・・こから・・・出せ。」
「・・そげ。」
「・・っと・・・速く。」
穴を深く掘れば掘るほど声は聞こえるようになってきた。
アランは、不気味に思いながらも穴を掘っていった。
「そこだ」
それが聞こえると前方の土の一部が崩れると赤い宝玉のようなものが表れた。
「なんだこれ?」
アランは、赤い宝玉を手に取り壁に突き刺してあるランプの火にかざしてみると中に豹の絵が見えた。宝玉を手に取った後は、どこからか聞こえた声は聞こえなくなっていた。
「よっしゃ、ラッキー!!宝石ゲット!!」
アランは嬉しそうにしながら宝石を手に握りしめ家に帰った。
家の前には、両腕を前に組んであたりを見渡していたアランの母親が立っていた。
アランは宝玉を見ることに夢中で母親に気づかなかった。
アランを見つけた母親は、
「こんな時間になるまでどこをほっつき歩いていたの!!門限の時間はとっくに過ぎてるわよ。」
アランの母親は、般若のような顔をしながら怒っていた。
「約束を守れない子には晩御飯は抜きです。」
そう言って母親は家の中に入り、ドアを強く締めた。
「なんだよ、そんなに怒ることないだろ。」
アランは小さな声でそうつぶやいた。
その時、あの声が聞こえた。
「・・せ・・も・せ・・燃やせ。焼き尽くせ!!」
どこから聞こえてるのかわからないが確実に「燃やせ、焼き尽くせ。」そう聞こえた。
「もしそんなことができるなら、やってみたいよ。」
アランは、冗談のつもりでそう言った。
「契約…成立」
そう聞こえた後に気づくと宝玉を持っていた手が前へと突き出していた。
その手は指先から手首までが燃え上がる炎に包まれていた。しかしその手は熱くなく、自由は聞かなかった。
次の瞬間にはアランの家は燃え上がり家の中から家族の悲鳴が助けを求める声が聞こえた。
「熱い、熱い。」
「誰か、助けてくれ。」
アランは、目の前の光景に頭の中の処理が追い付かず、一歩も動けずにいた。目の前が燃えているのにもかかわらず熱さは感じられなかった。
瞬きのために目を閉じ、目を開き横を見るとロンがこちらを心配そうに見ていた。
「母ちゃん、アランが目を覚ましたよ!」
アランはロンの家のベッドの上で横になっていた。
「確か、急に手が動いて、そのあと、家が燃えて、それから、それから・・・」
アランは、息を荒くしながらあの時起きたことを整理しようとしていた。
燃えていた手を見てみると手の内側にあの赤い宝玉が埋め込まれていた。
「オゥエ」
アランは、自分の右手を見て吐いてしまった。
しばらくして、落ち着いた後にロンの母親から状況を教えてもらった。
瞼を閉じた後アランは倒れてしまったようだ。家は全焼、中にいた家族の父親、弟、母親は骨になるまで焼かれていたそうだ。倒れたアランをロンが見つけ家に運んだそうだ。
誰がアランの家に火をつけたのかわからず、次があるのではないのかと町では大騒ぎだそうだ。
言えなかった。自分が自分の家を燃やしたかもしれないと怖くて言えなかった。
説明が終わりアランが一人になったとき、あの声が聞こえた
「どうだ、我の力は。凄まじい物だろう。」
その声は、今度ははっきりと右手から聞こえた。声は低くそれでも響いて聞こえた。
「お前がやったのか。」
アランは小さな声でそれでもその声には怒りの感情が混じっていた。
声の主は答える
「そうだ。だがしかし、お前も望んだことではないか。だから燃やした。」
それを聞いたとき、アランは絶望した。
自分が望んだから、自分が願ったから、この宝玉を見つけなければと後悔していた。
「お前は一体何なんだ!!なんであんなことをした!!」
激怒したアラン声の正体を聞いた。
「俺か?名前は言えないな。しいて言うならその球に封印されていた悪魔だ。さっきも言ったが、お前が望んだから燃やした。本来ならそんなことはしないが、俺の封印を解いてくれた借りを返したに過ぎない。」
悪魔は意気揚々と答えた。
アランは悪魔にいくつかの質問をして眠りについた。
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