第6話覚悟

周の周りには悪魔や幽霊が寄ってきて、それをわたしだと勘違いして話していた。

ミキって言っていつもわたしを求めていた。

切なくって辛かった。

私の希望だったから。

戦う覚悟を決めた。

その日の夜、わたしは彼に別れを告げた。

「もう、いかなきゃ」

「そっか」

夜に周の部屋でいつも通り二人の時間を過ごしているとき、わたしがそういった。

凄く悲しそうだった。

「でも、俺我慢できるよ。お守りもあるし」

体調が悪いのを隠して言った。

限界なのは私でもわかる。

「ごめんね。最後の夜にしよ?」

「別れたくないなあ・・」

いつも通りお互い見えないまま、体を重ねる。

一晩中愛しあった。








_____次の日の朝。

早朝6時くらい。

「いくね」

「うん・・・わかったよ」

彼は強かった。受け入れてくれた。

わたしを引き留める言葉を決して、言わなかった。

「絶対忘れない。死んだあと絶対会うからあきらめないで」

その時の言葉は一生忘れない。

「分かった。あの世で会えたら結婚しよう!俺最後まで頑張るから」

わたしが契約を守ったら彼は死んでしまう。

わたしが離れた後、彼はずっと泣いていた。

彼の人生は波乱に満ちた人生になるだろうことをわたしはその時初めて気づいた。

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