第2話友達
その日はバイトをしていた。あの後仲良くなった女の子?の幽霊と話すことが多くなった。
旅館の清掃活動のバイトだ。彼女はいつもそばにいるようで話しながらつまらない作業をこなしていた。
彼女と話すのは楽しくて、バイトの時間も忘れてしまうくらいだった。
「コバヤシ君!次はここね」
「はい。わかりました」
ベットシーツの交換、枕を整えたり、掃除機をかけたりそんな作業を数時間。
「周なんでこんなことしてるの?」
「つまらないけど、やらないとお金もらえないんだ」
社会活動、働くという事。社会人としての当然のこと義務だ。
まあ大して賃金も稼いでいないから貢献できているかはいまいち実感できないが。
「周好き!」
「あ。えっと・・・」
こういう時に素直になれないのが周の良いところ・・・。
とか思っているのだろうか。
素直に口に出せないところは悩みの一つだが、でもこんな風に思う自分も嫌いじゃない。昔から俺は変わり者だ。
「ありがとう」
お礼を口にする。そうすべきだと俺は思うから。
「部屋の中、覗けたりする?」
「なんで?」
「幽霊なら出来るのかなって思って」
「わかんないけどやってみる」
「・・・」
一瞬の合間、彼女を待っていると話しかけられる。
「あそこの部屋、人がいないみたい」
「よし、じゃああそこ掃除しに行ってみよう」
一応ノックして静かに部屋を開けてみる。
確かに清掃している他のバイトもお客さんも見当たらない。
「ほんとだ」
「すごいでしょ」
「そういえば名前って何て呼べばいい?」
「なんでもいいよ」
「君だから・・・ミキ、でいい?」
「それでいいよ」
_______そんなこと、言われたことなくて私はドキドキした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます