最強の剣がフランスパン!?〜最弱冒険者の無双冒険録〜

櫛田こころ

第一章 魔剣がフランスパン

第1話 役立たずなりの攻略

 とにかく、役立たずだった。



「…………おら、立て」


「おめぇには最後に、とっておきの任務をさせてやんよ?」


「光栄に思え」



 お互いに、冒険者の初心者だった頃はこんな言葉とかをぶつけてくる相手じゃなかった。


 励まし合い、協力してモンスターとかを倒してはギルドで飲み食いしていたりもした。


 けど、何年か経つにつれてそれが変化してきた。


 いつまで経っても、最低ランクのGから昇格しない最弱の剣士である僕は、どんどん足手まといになっていったのだ。


 だから今日、最後と言う通告をされた上で殴られた後に……最悪のダンジョンに放り込まれた。


 ここの最下層にある魔剣を取ってこられたら……仲間として再認識してやると。



(……無理だよ、僕なんて)



 とりあえず、駆け出しの時から持っているぼろぼろのレイピアでなんとかゴブリンなどのモンスターは討伐して……大物は敏捷性の高い僕なので、逃げて逃げて逃げまくった!!


 そして、それらしき階段を降りて最下層らしき場所に到達したんだけど。



「…………パン??」



 そう、台座みたいなのに刺さっていたのは、細長いパンでしかなかった……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る