18食目、女神と初めて会った日

 最近はなかったが、こんな事を出来るのは一人と言ったら良いのか分からないが一人しかいない。

 その人?とは、女神××××××様だ。俺を含め人間には発音出来ない言語らしく、初めて会った時に仕方ないのでシロという名前を与えてあげた訳だ。

 名前の由来は第一印象が全身真っ白なのを目にやきついてしまい、女神シロと名付けた訳だ。安易だと思うが許して欲しい。

 そして、俺の目の前に出現し続けてるウィンドウは女神シロ様がやった事だ。冒険中にも度々あった、というか店開いてから半年程経つが、とてもインパクト抜群だったので覚えてる。

 そして、女神シロ様の最初の出会いは………そうあれはまだ俺が勇者初心者の時に魔物討伐クエストの最中休憩してる時だ。

 仲間達と休憩してるところに次の質問が書かれたウィンドウが現れたのだ。


 会いますか?/会いませんか?


 と、俺の目の前に意味不明の選択肢が出現した訳である。

 そして、俺は何の躊躇いもなく"会います"の方を何の躊躇なく押したのだ。

 そうすると、俺の目の前が真っ白に光り気がつくと、そこは見た事ない真っ白なお花畑であったのだ。

 良く見るとお花畑の真ん中にポツンと丸いテーブルに椅子が二脚置かれていた。

 周囲には他に何も見当たらないのでテーブルの所へと歩いた。


「………座っても良いんだろうか?それにしても、みんな何処に行ったのだ?まぁこの状況では俺の方が何処かへ飛ばされたと考えた方が良いか」


 椅子に座った途端、片方の椅子に何やら光の玉みたいなのが集まってきた。カズトは腰に手を当ていつでもカズトの相棒・聖剣エクスカリバーを抜けるように柄に手をかける。

 光の玉は徐々に形作っていき、人らしい姿へと変化していく。髪は地面につきそうな程長くて白い………どうやら女性のようだ。人形のように肌というか全体的に真っ白で、身に付けてるものも白く布よりは衣と言った方が良いかもしれない。

 完璧に人の姿へと変化終わると、そこにはこの世とは思えない程の美女で俺は武器を構えるのも忘れ見惚れていた。


『人の子よ、安心しなさい。ここは神の御殿であります』


 超安心出来ないですけど………えっ!ここって神の領域なのか?ということは目の前のこの人?が神様って事なのか?それに………頭に直接声が聞こえてくる。これは念話テレパシーというやつか。

 そして、神様が俺に何の用があるのか、神様に怒られる事したのかな?ここで死ぬのかな?はぁー、短い人生だったな。


『………安心しなさい。あなたが死ぬ事はありませんよ』


 えっ!声に出てた?いや、まさか!心の声が聞こえてるのか?


『えぇ良くお分かりで。あなたの心の声は聞こえていますよ』

「もしかして怒ってます?失礼な事を考えたかもそれないので………」


 目の前の美女は真顔で感情が読み取れない。まるで彫刻や絵画からそのまんま出て来たみたいに、それが逆にカズトは怖いと思ってしまったのだ。


『いいえ、怒ってませんよ。この顔は産まれつきなので、怖いと思いましたらごめんなさい』

『いいえ、こちらこそ。怖いと思ってすみません』


 真顔な美女に謝れるとこちらも申し訳なくついつい謝ってしまう。というか、この美人さんは誰だろう?


『私ですか?そういえば、自己紹介まだでしたね。私は××××××です』


 へっ?今何て言ったんだ。上手く聞こえなかったんだが………


『すみません、下界の方では発音出来ませんでした。仕方ないので、あなたが好きに呼んで下さい』


 漫才みたく転けそうになったがどうにか我慢し、美女の身体全体を見渡す。

 何か良い名はないか考えてみたが、美女は身体全体が真っ白という事でカズトの頭にはとある名しか思いつかなかった。


「シロ………シロというのはどうでしょうか?」


 安易で怒られないか冷や汗が自然と掻いてしまう。美女はカズトが考えた名について『うーん』と唸ってるが、その間が微妙に気まずい。

 考えてるせいか少し………威厳と表現したら良いのか白いオーラが漏れてる。


『あっ、失礼。私の威厳が漏れてました。シロ気に入りました。あなたに私をシロと呼ぶ事を許します』


 はぁ~、良かった。マジで良かったです。ふぅー、それにしても〝シロ〟って何者なんた?


『そういえば、まだ話してませんでしたね。私は女神で下界の者から崇められてる存在です。あなたの名は何と言うのですか?』


「すみません、女神様とはつゆ知らず━━━━」


 シロ様の視線が"早く名を言え"と無言の威圧感がきた感がしたので、謝罪を突如中止して自分の名前を言った次第であります。


「俺の名はカズト…………カズト・スメラギと申します」

『楽にしなさい。ここに呼んだのはもちろん私ですが、この世界に召喚したのも私なのです。下界の人という王らが自らカズトを召喚したと思っていますがね』


 何っ!ここに来て新事実が発覚した。王様が召喚したと思っていたら真犯人がいたのだ。まぁでも相手は美女な女神様で少し怖い気がするが、もろ俺好みの女性だから許す。


『ポッ………好みの女性って言われたの初めてで困ります』


 そりゃぁ、俺が初めてここに来たらしいから当たり前だろう。それにしても、この女神様は無表情なのに頬は赤くなるんだな。案外可愛いいところもあるじゃないか。



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