2食目、プロローグ2
「カズトの鑑定でも無理だったです？」
「あぁどうやら、とても強力な鑑定妨害が掛かってるようだな。頼めるか？」
「うーん、そうですね」
もう一人の女魔法使いドロシーはカズトが拾った宝石ぽい石をヒョイっと手に取り一目でそれが何なのか分かったようだ。
「…………カズト、あんた
「えっ！あっごめん。俺としたことが」
「かの勇者様も同じ人間だったという事だな。グワッハッハッハ」
「ぷっくくく、たまにカズトのそういうとこが可愛いんですけどね」
「スゥスゥ、その通りなのよ。スゥスゥ」
ミミの寝言にも慰められた！本当は起きてるんじゃないか？しかし、後ろを振り向いて見ても可愛いイビキを掻いて寝ているだけだ。
魔封じの要石とは、簡単に説明すると魔法や
これを使用する際に地面に叩き割るかして割ると使用者は、その魔法や
「何が入ってるか分かるか？」
「私にも分からないです。よっぽど、強力な鑑定妨害なようなのです。おそらく世界中何処探しても、これを見破れる者ないないと思います」
「せっかく、そんな貴重な魔封じの要石を売るの勿体ないしよ。使っちゃえば良いんじゃねぇか。そうすれば、何が入ってるか一発で分かるじゃねぇか」
「…………そうわね、たまにはバカのくせに良い事言うんじゃないの」
「そうか、いやぁワッハハハハ……………うん？おめぇ俺の事バカって言ったか？」
「気のせいだって(本当にバカで良かった)。ほら、カズト使いなさい」
みんなに急かされて使用するの一択しかなかった。まぁ使ってみてもマイナスには働かないだろうと思い、何の考えも無しに使って見る事にした。
魔封じの要石の使用方法は至って簡単だ。ただ単に割るだけだ。子供にも出来る事だが、一般市民には手の届かない値段のため普通に生活してると、まずお目に掛かる事事態少ないのだ。ただ、有名すぎる魔法アイテムのため誰だって知ってる魔法アイテムでもある。
「じゃぁ割るぞ」
カズトはそう言うと思いっきり振り上げ魔封じの要石を地面に叩き落とした。
パリィン
と砕け散るとカズトの体が数秒、白く輝き収まった。見た目は何も変わりないが、ステータスを開くと技術スキルが二つ追加されていた。
「うぉ、
「えっ！普通は一つのはずです」
「何が追加されてたんだ？」
自分のステータスをみんなに見えるよう画面を拡大した。そこに二つNEWと付いてる箇所があり、全員マジマジと見ていた。
・【
・【
「…………空間系のようです。【
そうか、かなり貴重な魔封じの要石だったようだ。俺が使っても良かっただろうか。
【
「それじゃぁ、折角覚えた魔法で帰ろうぜ」
「ゴンはバカです。カズトが取得した魔法は世界を渡る魔法で、私達が帰る時には使えません」
「なんだ、使えねぇな」
「確かに使いどころが難しい魔法です。しかし、世界を渡る事は私を含め魔法使いのロマンです。それを━━━ブツブツ」
ドロシーは魔法の事になると篤く語り出すからな。適当に返事を繰り返して話を終わらすか。
「早く帰って王様に報告しよう」
「それなら問題ありません。私が魔法で報告しておきましたので、今頃、凱旋パレードの準備をしてるところでしょうか？」
「なら、余計に早く帰った方がいいじゃないか？」
どうだ、これで説得は成功したか？魔法を論理的に考える魔法使いと違って、勇者である俺は直感的・感覚的に使用するから半分程ちんぷんかんぷんだし、聞いてる途中で眠ると雷を落としたりするんだもんな。
「…………仕方ありませんね。私の魔法でちゃちゃっと帰りますか」
ドロシーが杖をトンっと地面を叩いた瞬間、みんなの足下に魔方陣が現れその場から消えた。
「勇者達は帰ったか………の」
カズト達が去った後、瓦礫と化した玉座の間の柱から謎の人影がコソコソと出て周囲に誰もいない事を確認する。
「ほっ、勇者め良くも妾の父上を倒してくれたのじゃ。ヤッホーイ、これで自由になったのじゃが一文無しになってしまったのじゃ。
そうじゃ、勇者に父上を倒した責任を取って貰うのじゃ。早速行動開始じゃ」
柱から出てきた謎の人影も元魔王城を後にするのであった。
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