笑う屍
橋倉 輝
第1話 未知のウイルス
「ただいま世界では未知のウイルス、ピポポプピペウイルスが蔓延しています。今日の死亡者は全国で100万人を超えました。アメリカでは5000万人の死亡が確認されています。このウイルスは、感染力はあまりありませんがかかってしまえば最後、死亡率は100%と言われています。感染経路は接触感染との事です。皆さんどうか、外出は控え、他人との接触はしないように気をつけてください。もし接触してしまった場合には直ぐに石鹸などで綺麗にその箇所を洗い流してください。以上、今日の感染状況の報告でした。ゴホッゴホッ!」
今世界では、未知のウイルスが流行り、誰もが怯えながら生活をしていた。
「ゴホッゴホッ!兄ちゃん…俺、死ぬのか?」
「何言ってんだよ。お前はただの風邪だ。心配するな。」
「でも、ゴホッウォッゴッホピペゴホッ!!…こんな変な咳が出るのは、ピポポピペウイルスの特徴だって…」
「ピポポプピペウイルスだ。そんなことないぞ。
たまたまそういう咳が出てるだけだ。大丈夫だ。」
「兄ちゃん…俺…兄ちゃんと一緒に暮らせて楽しかった…」
「急に何を言い出すんだよ…ご飯作ってくるから待ってろ。」
「兄ちゃん…手を繋いでくれる?」
「あ、それは無理だ。さすがに男兄弟で手を繋ぐとかキモすぎる。」
「兄ちゃん…」
「おい、弟?おい!しっかりしろ!!おとうとー!!!」
こうして弟はピポポプピペウイルスによって死んだ…はずだった。
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