第11話 はじめての魔物退治

爺ちゃんは魔法が使えるようになった俺をやたらと鍛えるようになった。

勿論俺の事を想ってだ。


「今日は魔物を狩りに行くぞ」ポール


「うえ~?魔物って何?」俺


「魔物は魔物じゃぞ!それいくぞ」ポール


あの魔物ですよねキット!あ!魔石があるんだから、いるよね!

「うう・・・」俺

怖い・・・

有無も言わせず連れてこられた魔の森・・・。


「ホレあそこにいるじゃろ緑の奴が!」ポール


「ほんとうだ!凄い!気持ち悪い顔!」俺


「あれを殺すんじゃ。」ポール


「あの・・・急過ぎます」俺


「大丈夫じゃ稽古したし、ワシもついておる。

あ、魔法はなしじゃぞ!ほれ剣じゃ!行ってこい」ポール


あ!押さないで・・・


パキ!


げ!こっち向いた!

もうやけだよ!やってやるよ!


ゲギャギャ!と

バタバタ走ってくる緑色の魔物。そうゴブリン!キターー!

イメージ通りの姿だった。

直線的に襲ってくるあたりやはり知能は低いようだ。

突進しながら木の棒を振り下ろしてきた攻撃を、

半身になり回避すると同時にゴブリンの足を剣で切り付ける。

倒れた所にとどめで終わりだ!


「見事だレイン!

しかし、

ホレ!音を聞きつけてやって来たぞ!」ポール


「げ!何あの数!30匹くらいいる?」俺


すでに数体は俺に迫ってきていた。

無駄に突っ込まないで引き付ける。

さっきの要領で回避とカウンターをねらう。

微妙に移動して囲まれないように、近付いてきた奴から切りつけ、

動きを封じる。

飛び道具は持っていないようだし、

こういう時は止めを刺さない。

まずは動きを封じる程度で良いから、傷を与えて移動するのだ。

囲まれてはいけないのだ。

ザザザ・・・と集団が動く様子が分かる。

囲まれそうになると、

急いで逆行したり、細かく方向転換をしながら、相手を翻弄する動きをとる。

知能が低いのでまんまと騙されてくれる。

結果、意外と簡単にゴブリン集団を殲滅することができた。


「さすがじゃの!駆け引きが上手かったな!」ポール


「はあはあはあ・・・ちょっと・・無理・・ハアハア」俺


「少し休んでいいが、

直ぐに魔石の回収をするぞ!必ず一撃入れてからにしろよ!

稀に死んだふりの奴も居るからな!」ポール


「いや、止めさしてないから大半生きてますよ。はい。はあはあ・・・」俺


殲滅よりもこの魔石回収の方が時間と手間がかかった。

予想通り魔物にはお決まりの魔石がありました。

大体心臓近辺にあるのだけれどアバラが固くて、

中々取り出すのが大変なのだ。

後半は剣で、胸をバッサリやってから手を突っ込んで回収していた。


ラノベでさ、よくゴブリンて臭いっていうじゃない?

ほんっと~に、くっさいの!!

血とか肉が臭いんじゃなくて、股間が!!

股間からあふれ出てくるものがくっさいの!

聞いただけでキモイでしょ?

身体のわりにあそこが異様にデカくて、

先っちょから常に汁を垂れ流しているような感じ・・・。

気持ち悪くて説明を割愛します。って十分だよね・・・


とにかく、股からの臭いが相当にくっさい。

焼くと消えるんだけどね。

こいつらの垂れ流しの液体を浴びると臭いのが取れない。

てか、実際のゴブリンは腰布とか何も纏ってない丸裸状態だから、

戦っていると絶対飛び散って白いのを浴びちゃうんだよね・・・。

爺ちゃんは絶対近付かなかったし。確信犯には罰を!


「爺ちゃん抱っこ・・・」俺


「レイン!ヤメロ抱きつくんじゃない!!今日は一人で歩くんじゃ」ポール


「チッ・・・」俺


くっそ~早く風呂入りて~!って風呂ねえじゃん!


「あああああ!」俺


「なんじゃ!どうした!」ポール


「お風呂入りたい!」俺


「え?風呂じゃと!」ポール


「こんな臭いのをかけられてそのまま寝るのヤダ!」俺


「そうじゃの、ワシもその匂いのまま一緒に寝るのは・・・」ポール

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