第三話

 ある高齢男性は新聞を読んでいる。そこにはこんなことが書かれている。

 今年に入って、小中高校のいじめが前年度よりx.x%増加した……

 高齢男性は顔をしかめて、こちらへやって来た妻にこの一件を話した。妻は興味なさげに反応した。

 高齢男性はしばらくすると新聞をたたみ、テラスで日向ぼっこをした。

 木々が光を反射して、水面のようにゆらゆら揺れている。鳥の鳴き声が心地よい。今日は最高な日だ。高齢男性はそう思いながら、鈍い光を最後に寝てしまった。

 手元が滑ったのか、高齢男性が先ほどまで飲んでいたお茶の入った湯呑が落ちてしまった。

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