命令するメイド「ドイメ」と他99の超短編
STキャナル
命令するメイド「ドイメ」
「さっさとやりなさいよ」
家のソファーに寝そべりながら、メイドが健太(高2)を急かす。
健太はメイドの冷たい圧力に押されつつ、必死でオムライスを作っていた。
彼女はメイドのくせに住人に命令し、自分では何もしない「ドイメ」だったのだ。
「はい、できました」
健太が出したオムライスは、実に普通ながらもおいしそうに整っていた。
ドイメはスプーンを手に取り、一口味わう。
「うん、おいしいね」
ドライな表情を変えずに、シンプルに感想を述べるだけだった。
「健太、このあともいろいろやってもらうことあるの、わかってるよね?」
間髪入れずに出たドイメの言葉は、健太を辟易させた。
彼はこのあとも洗濯、部屋の掃除、ドイメが連れてきた亀へのエサやりなど、家のことをいろいろやらされた。普通はメイドがやるはずなのに。
それでも健太はこのあとのことを考えると、今の状況に黙して従うしかなかった。
「はい、今日のごほうび」
仕事を終えた健太に、ドイメは1万円を渡した。
つまりドイメは、この世界では公式のバイトで、健太にお金の稼ぎ方を学ばせるものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます