第5話 発生
他を認識できるようにはなったが、その他のものたちは遠く離れていた。まだ自ら移動する術をもたなかった存在は自らを変貌させていった。
そして、他のものたちも同時多発的に自らを変貌していく。それは原初、同様な存在として発生したものを、個々の別の者として存在させていく。
自らを変貌させ、自ら移動できるようになった存在が現れだしても、他と遭遇できる可能性は低かった。それほど各々の距離は離れていたからだ。
近づこうとするよりも、離れようとする速さの方がかなり速い。遠ざかる速度は光の速度だったからだ。
ただ、また揺らぐ。まっすぐ進むのではなく、歪んで進む。そして、いつしか遠ざかるのではなく交差する時を迎えた。
それらは他を、より大きく強い他が飲み込むことで、また違う個が生まれた。大きくなるもの、取り込まれてしまうもの。
そして、自らの名前を自覚するものが現れだした。
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