第5話 こんな事になったのはダニエタンのせいか。 違うだろう。いつこんな時が来るかもしれなかったんだ。 遅かれ早かれ、この時は来たんだ。

---ダニエタン視点---

 「安心しろポマーハス、お前の事は俺様が護る」

 俺様は何をしていたんだろうか、自分の事しか考えずポマーハスに金を借りようとしていたなんて。

 「へぇ、そこまで言うなら護ってくれよ。当然俺の愛するヒアンヌも俺の家族も友達も家来も兵隊も全員な」

 「ああ、護ろう。俺様達は共に生きるんだ。王都を出て、モンスターのいる場所で生きるんだ。

モンスターが居ない場所もあるかもしれない」

 俺様の愛するエリアンヌも俺様の家来も兵隊も友達のポマーハスも、皆が毎月200万カッパー払い続けるなんてできるわけがない。

だったら、俺様は一緒に生きたい者達と生きて、一緒に生きたい者達を護ろう。


---ポマーハス視点---

 「聞いたかお前等。俺達はダニエタンと共に生きるぞ」

ポマーハス家来カヌルト「ああ、視界を奪われたのは主が弱いからだからな。先に突然左腕を斬ったのも主。

自業自得だ。この程度で済まされてよかったな」

ポマーハス執事タワポス「主は弱いから、主と生きていくのは不安だった。吉報だ」

ポマーハス弟分キロアフム「兄ちゃんと生きていくのは変わらないけどさ、兄ちゃん弱いからな。

兄ちゃんとじゃすぐ死んじゃうよな」

 「はは、そうだ。俺は弱いからな。ダニエタンに護ってもらわないと、ダニエタンと共に生きていかないと

俺も俺達も生きていけない。

だから、ダニエタンの事を恨むなよ。なぁキロアフム。

カヌルトの言うとおり、俺から斬りかかったんだ。自業自得だ。

視界を奪われただけで済んで感謝しなければいけないぐらいだ」

 本当に、俺が悪いんだ。

こんな事になったのはダニエタンのせいか。

違うだろう。いつこんな時が来るかもしれなかったんだ。

遅かれ早かれ、この時は来たんだ。

 「兄ちゃん、俺、兄ちゃんと同じものを見たかった」

 「なんだよ、俺はまだ五体満足で生きてるんだぞ。

お前が見たものを俺に教えてくれればいい。

一緒にどこにでも行こうぜ。

外の世界ってのも楽しみになってきたよな」

 大事なものは、まったくの無傷だ。

何も悲しむ事なんてない。

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