最終話 幸せな未来
最終話
「おめでとう!一生、呪うわね遥!」
「いや、酷すぎる第一声だな…」
「まぁ、鉋らしいっちゃらしいけどな…」
今日は結婚式。
俺と遥が遂に結ばれる日だ。
「此処まで来るのに色々あったな…」
「本当ね。お父さんと殴り合って帰ってきた時は本当にビックリしたわ…」
大学卒業間近、俺とお義父さんは喧嘩をした。
初めての親子喧嘩だ…
そして、ある意味で初めての親友との喧嘩でもある。
まぁ、それは後で語るとしよう…
「こんなショボい結婚式で悪かったな、遥…」
「ううん、良いの。身内だけでやりたかったもの…」
「その身内枠で、何で私を呼んだんですか先輩?もしかして、愛人にでもしてくれるのですか?」
「バカかお前?俺の親友はお前だけだろうがよ…」
「くっ、やっぱり先輩はズルい!ズル過ぎます!」
うん、やっぱりコイツはこうじゃなきゃ!
流石は俺の親友だ…
…まぁ、気にしてはいなかったが、これで俺のストーカーも止めるだろう。
…やめるよね?
「嫌だ…遥さん何かの義妹になりたくない……」
「諦めが肝心よ、瑠璃ちゃん♪」
「貴方にだけは言われたくない!せめて、お兄ちゃんに言われたかった!」
「我儘な義妹ちゃんだね…ウリウリ♪」
「ぎゃぁー!」
早速、瑠璃が遥に可愛がられている。
…うん、姉妹のスキンシップは大事だな!
そういう事にしておこう!
「まさか、遥の親友枠で私が呼ばれるとはね…。最後の最後まで、私に嫌がらせを続ける子ね…」
「あら、呼ばれたくなかったの?」
「そんな訳ないじゃない。これでも、私は嬉しいのよ?まぁ、諦めた訳じゃないから、早く離婚届に押印してほしいわ。」
「あら、残念。そんな予定は無いから、絶対に実現しない未来ね。」
此方でもデットヒートしてる…
女って、やっぱり怖いなぁ…
「モテモテだね、刃くん…」
「あっ、お義父さん…」
「うーん、やっぱり認めたとはいえ、不快だね、そう呼ばれるのは…」
「あはは…」
そんな露骨に嫌そうな顔をしないで下さいよ…
傷付いちゃいますよ、俺?
「一つだけ、約束してくれる?」
「…何ですか、剣さん。」
「あの子を…遥を傷付けるなよ?その時は俺がお前を殺しに行くから。」
「…肝に命じておきます。まぁ、そんな事は絶対に有り得ませんが。」
「うん、そうでない事を願うよ…」
そう言い残し、お義父さんは去っていった。
「遥、そろそろ時間だ。」
「うん!待っててね♪」
そして、俺が先に入り、遥はお義父さんの所へ行く。
ああ、本当に幸せだ。
遂に俺達は此処まで…
「新郎新婦のご入場です!」
さぁ、行くか!
終わり
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