第22話 幼馴染からの尋問

第22話


何故か、俺の家に居る鉋…


いや、まぁ、よくある事だから違和感は無い。


酷い時は2階の窓から入って来る時もあるしね…


それはそれとして…


「何の用だ、鉋?」

「ちょっと聞きたい事があるの…」


あれ?何か怖いんだけど…


もしかしてだが、遥の奴…


「何か怒ってるのか?」

「うーん…半分正解かな。でも、安心して。刃君に対してじゃないから…」


そ、そうなのか?


なら、一体誰に…


「まぁ、そんな事はどうでも良いの。早くお部屋に行こう?」

「あ、ああ…」


しかし、圧が強いな…


俺に怒ってないなら、何でこんなに圧が強いのだろうか?


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俺の部屋に入った鉋は、まず押入れから小さなテーブルを出し、向かい合う形を取る。


よく覚えてるな、コイツ…


俺ですら、それの存在を忘れてたぞ…


「さて、刃君…」

「は、はい、何でしょうか?」


謎の圧に押され、何故か敬語になってしまう。


それ程までに、今の鉋は威圧的だ。


これ程までに怖いのは、小学生の時に鉋にナイショでクラスメイトの女子と遊んだ時以来だな…


「これ、何?」

「えっ?………はぁ!?」


鉋は懐から一つの写真を取り出す。


そこにはサングラスを掛けた二人の仲が良さそうな男女が映っていた。


というか、俺と遥だった…


もしかして…


「これ、刃君だよね?」

「な、何の事だ?」

「嘘付いても無駄だよ?私が刃君の事を解らない訳がないじゃん。少し忌々しいけど、莉奈ちゃんや瑠璃ちゃんに誰って聞いても刃君だって答えると思うよ…」


ま、マジかよ…


俺、そんなに杜撰な変装はしてない筈なのに…


「黙ってても話は進まないよ?」

「…………はぁ、そうだよ。そのサングラスの男は俺だ。」

「ふふ、やっぱり。で、一番聞きたいのは…」


…やっぱり、そうだよな。


お前が一番聞きたいのは…


「この隣の女は誰かな?かな?」

「…秘密にしてくれると約束してくれるか?」

「刃君が話してくれる内容しだいだね。」


そうか、少しキツいな。


もう未練はないが、初恋の幼馴染に自身の恋路を話すのは恥ずかしいな…


「実はな、その女の子は…」

「うんうん、実は?」

「隣の席の南原 遥でな…」

「へぇ、やっぱりそうなんだ…」

「解ってたのか?」

「ううん、最近少し怪しいなって思ってただけだよ。」


そっか、お前は凄いな。


よくよく考えたら、俺はコイツに隠し事を出来た試しが無かったな…


「それで?まだ言えてない事があるんでしょ?」

「ああ、遥はな…俺の彼女なんだ……」

「…………………………………………………え?」


あれ、鉋が固まったぞ?


続く

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