第20話 嵐の前の静けさ/そして、少女は…

第20話


その後、色々あったが無事に一週間が過ぎた。


何か鉋だけでなく、遥の奴まで可笑しい事をし始めたし…


何がなんだかよく解らない…


皆に聞いても、はぐらかされるし…


「ねぇ、今日はどうする?」

「どうしようか…カラオケにでも行くか?」


そんな俺達は今日、デートをしていた。


と言っても、今回は予定なんざ全く決めていない。


時々、こういう行き当たりばったりなデートをしているのだ。


まぁ、アタリハズレの差が激しいのだが…


「うん、そうしよっか!」

「言っとくが、割り勘だからな。」

「…解ってるよ!」

「おい、今の間は何だ?おい、黙って先に行くな!」


全く、コイツは…


言わなかったら、奢らせるつもりだったな?


まぁ、別に良いんだけどさ…


「何歌う?」

「アニソンか特撮ソング。」

「やっぱり。私も最近のはよく知らないけどさ…」

「だよな。だって、前言った時は…」

「大丈夫!あれ以来、童謡やプリキ○ア以外も歌える様に練習したから!」


前行った時は酷かった。


コイツ、カラオケで『どんぐりころころ』や『カントリーロード』を歌ったんだぞ?


しかも、無駄に上手い。


意外な一面を見た瞬間だったな…


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鉋side


今日は町でお買い物♪


本当は刃君と一緒に行きたかったんだけどね…


「まっ、文句言ってもしょうがないか…」


刃君も忙しいのだろう。


何か興味が湧く事が出来たのは、将来の妻として喜ぶべきな筈だ。


まぁ、それに集中して私を見てくれなくなったら、おイタしちゃうかもだけど…


「あっ、どうせならヒトカラでもしよっかな?」


この前、刃君もしたと聞いている。


友達に誘われて大勢でやるカラオケしかした事がないが、楽しいのだろうか?


まぁ、刃君が楽しいと言っていたのだ。


私も楽しめるに決まっているだろう。


そんな時…


「言っとくが、割り勘だからな。」

「…解ってるよ!」


あれ、この声…


何処かで聞いた事のある様な声…


女の方は兎も角、男の方が特に…


誰だっけ……


あっ!


「刃君!?」


私は声の聞こえた方へと急いで追いかける。


すると、そこには…


「あれ?」


サングラスを着けた男女が居た。


髪型や服は変だけど、アレは間違いない…


「刃君、何で!?」


続く

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