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    日本人としてはやはり村上春樹氏にノーベル賞を獲ってもらいたいと思います。
    それと、ノーベル賞とは離れて、村上春樹氏の小説自体について評価をお願いします
    書き手として興味があります。

    作者からの返信

     hekisei様、コメントありがとうございます。

     ノーベル賞は哲学としての文学が受賞する傾向にあります。
     エンターテインメント小説は受賞しづらいんですよね。

     エンターテインメント作家として考えればひじょうに優れていると思います。
     セールスランキングを見れば大衆に需要はあるようですからね。
     最新作『街とその不確かな壁』は初版30万部とのことで、こちらも話題性は抜群です。

     文体が特殊で、万人ウケはしづらいのですが、ファンを意識したつくりのものが多いので、一度ファンを掴むとハルキストは増えていくことになります。
     まあ離れていく人も多いから、最近では百万部売ることもなくなったようですが。これは電子書籍に奪われているのか、活字離れが進んでいるのかにも依りますが、少なくとも一時期ほど紙の書籍が売れなくなったのは確かですね。

     文体が特殊ということで、ハルキストはどうしても彼の文体で小説を書きがちといわれています。ですが、村上春樹氏の文体は彼のアイコンであって、それを模倣しても彼らに必要なのは「村上春樹」というネームバリューです。他の作家が村上春樹氏の文体で書いても需要はありません。
     小説賞ではよく村上春樹氏の文体を模倣したものが応募されるそうです。それらはたいてい一次選考で落とされます。劣化版「村上春樹」は要らないからです。まあ村上春樹氏は村上龍氏の影響を受けていると評価されたことがあります。それが原因で芥川龍之介賞にノミネートされても受賞には至らなかったとされています。

     間違いなく、村上春樹氏は日本で一二を争うエンターテインメント作家です。
     熱狂的ファンであるハルキストを抱え、模倣作家も数多く生み出すほど影響力があります。
     ですが、小説の書き手として評価するなら、彼の模倣はするべきではありません。
     彼の模倣はすぐにわかるそうです。そしてわかった時点で落とされる。
     ファンであればあるほど、彼とは違う文体を探してみましょう。同じテーマでも文体が違えば別物になります。しかし違うテーマでも文体が同じだと模様臭くなってしまうのです。

     彼の小説自体は売り物として成功しているのは周知の事実です。
     ただ、読み捨てにされやすい小説でもあります。
     ブックオフなどの古本屋では、彼の作品は十円でも買い取らないところもあるのだとか。それを百円で売って利益を生み出せるかどうかはひじょうに怪しいのだそうです。そのくらい売りに来る人が多い。
     「より多くの読み手に読んでもらいたい」は達成しています。
     「読み手の人生を変えるほどの名作」には達していないわけですね。
     もし人生を変えるほどの名作なら、売るはずもありません。

     ですので、商業的に売れっ子作家であっても、それが名作かは賛否が分かれるところですね。