第4話 リゾットという男
ゼネフルの地、それは魔界と人界の境目の場所。今までは魔界の領地であったが、今回の事件で人界の領地へと変わってしまった。
魔界から人界の領地へ、人界から魔界の領地へと1000年の歴史を持つゼネフル攻防戦。一体ゼネフルとはどの様な場所なのであろう。
★
「よーし、こんなものでいいだろう。」
ゼネフルでは人間達が何かをしている。
木材を紐で縛り、拒馬があちらこちらに配置されていた。
「よっし、これで防備は完璧だ。でもリゾット様、本当に魔王軍はゼネフルを取り戻しにくるのですか?」
「フフフ、魔王軍は必ず来る!なんせこのゼネフルはお互い大事な資源の地、更にこちらは奴らの貴重品を預かっているからな。」
「貴重品?ですか?」
リゾットは、とある方向へと歩き始める。そして人間達が移動して来た馬車荷に指を示す。
「あれだ、あの中が貴重品だ。」
「あれは確か、この地の魔界のボス、ハーピーじゃないですか?リゾット様の言われた通り、殺さずに生捕りにしましたが、あのハーピーが魔王軍の貴重品なのですか?」
「そうさ、我々人間はこのハーピーに散々とやられた。ハーピーは恐ろしい魔物ではあるが、奴らからすると美しい癒しの人型羽付き魔らしい。」
いつの間にかリゾットの説明にほぼ全員が耳を傾けていた。一体何に興味があったのであろうか。
「は・・・はあ・・・あの凶暴なハーピーがですか・・・確かに捕らえましたが、200人の命を失いました。」
「ワキヤ隊長、確かに君のギルドメンバーを失ってしまったのは私の責任だ。しかし、彼らが死を覚悟してまでハーピーを捕らえようと戦ってくれたからこそ勝利し、ゼネフルを取り戻す事が出来たのだ。許せ隊長。でも下を向くな!我々冒険者は上を向いていかなければならないのだ!」
リゾットはワキヤ隊長に軽く礼をして詫びた。それを見た者達は・・・
「お、俺はリゾット様のやり方についていくぜ!」
「俺もだ!難攻不落のゼネフルをこうもあっさり落とすリゾット様について行きたくなった!」
「俺も!」「ボクも!」「あたしも!」
ワイのワイの
こうして士気が上がる冒険者達。そこに・・
「来たぞ!魔王軍が来たぞ〜!」
見張り係りからの伝令であった。
「リゾット様、どうしますか?」
「よし!俺の予想が正しければ相手はラスボス!倒せば英雄になれるぞ!」
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