【本編完結】悪役令嬢ルートから逃れるために家出をして妹助けたら攻略対象になってました。
のがみさんちのはろさん
第1話
まさか自分がこんなことに巻き込まれるとは一ミリも思ってなかった。
社会人三年目。毎日毎日仕事に追われ、おかげで彼氏にも振られ、母親からは結婚はまだかと催促の電話が定期的に来る日々。
疲れた。どこか誰もいない所でひっそりと暮らしたい。そんなことを思いながら、私はスマホを取り出してソシャゲを起動させた。
ログインだけはしないと。溜息をつきながら画面をタップしていく。
今の私の唯一に癒し。乙女ゲーム「君に100万本の花束を」。通称、君100。
物語はヒロインであるシャルロットが18歳の誕生日を迎える誕生日パーティーから始まる。そこでシャルは五人の攻略キャラとなる王子様と恋に落ちるんだけど、これがなかなか難しいのよね。
基本的にはパズルゲーム。ストーリーを進めるためにパズルをクリアしていかなきゃいけない。
そして何よりガチャ。パズルを攻略するために五人の王子様の武器や装備を強くしていかなきゃいけない。
私の給料は基本的に課金で消えていく。自慢にならないけどかなりのヘビーユーザーだ。イベントで課金しまくって限定スチル付きのアイテムを手に入れるために石を溶かしまくっている。
もちろん乙女ゲームなので、王子様とのストーリーがある。各ストーリーで分岐して、それぞれの王子様とのお話が読める訳だ。
一応複数キャラ同時攻略も出来る。ちなみに私は全キャラのメインストーリーは終えて、二部の配信待ちである。
「……はぁ」
溜息が零れた。
シャルはいいな。カッコイイ王子様に守ってもらえて。私なんか常にストレスで胃が痛いのに。
私を助けてくれる人はいない。
学生時代もイジメられるし、今だって上司のパワハラモラハラなんて当たり前だし、会社では残業ばかりで親しい友達も出来やしない。
私、何のために生きてるんだろう。
生きる意味って、なんだろう。
そう思っていたら、死んじゃいました笑
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます