第34話 キャラをどう魅(見)せるか
松村麻美、これが私が演じるキャラであり、性悪女である。その後、原作を読み、無事にこのキャラが振られるシーンまで読み終わった。いやー振られてよかった。ただ私が振られるシーンがお茶の間に流れるので、そこだけカットしてほしかったり…。よく負けヒロインやかませ犬系転校生キャラばかり演じる俳優さんたちには頭があがらない。
読み終えてふと思う疑問が一点。
なぜ、彼女たちはお互い好きなのに別れたのだろうか。…恋愛経験がない私にとっては難問すぎる。
その辺の描写が一通り最後まで読んだのだが、描かれていないのである。演じる上で、キャラについて詳しく知っておきたいのだが、分からない以上は、想像で埋めるしかない。
ということで想像する。
ぱっと思いつくのは勘違いである。ラブコメの定番といって差し支えがないだろう。異性と2人きりでいた姿をみて、浮気だと勘違いして別れる。ただこの線は低いかもしれない。好きなら浮気していようと付き合ってそうな2人だしなぁ。特に主人公は浮気と勘違いされるような行為はしなさそうなので、勘違いという線は薄い。
そもそも、別れてもなお好きならば、別れなければよかったはずだ。さらに、2人のその後で、勘違いしていた様な描写が全くないことも理由に、勘違いという線は切る。
振った方が主人公ではなく、松村麻美であることから、やはり性悪女の考えることはさっぱりだ。私が恋愛経験豊富ならばわかったのだろうか。
…だがしかし、さっき考えたことは、前提条件に松村麻美が性悪女だとしているが、実はそうでなかったとすれば、また答えも変わってくる。
本当は、主人公のことを思って別れたのだとすればまた別の考えが思いつく。
実は、借金が…身内の不幸が…などなど相手に負担を掛けたくなかったから別れた。その後問題が解決したから復縁を迫る。
…あれ?これが1番しっくりくるぞ。
もしかしてこのキャラは性悪女ではない?
再度漫画を手に取り、松村麻美が登場していない1巻から読み直す。
よく見ると、主人公への視線の節々にただの好意だけではない感情が、コマを大きくして描かれているわけではないが見受けられた。
そして、ヒロインへの嫌がらせの直前のシーン。嫌がらせのシーンだって、しっかり見れば本当は葛藤があるかのような表情が見受けられる。彼女は元からそういう表情だと言われたら認めるしかないが、私にはそう見えた。
それと同時に、原作者が松村麻美だけじゃなく登場するキャラに込めた想いも感じ取られ、漫画というものに注ぎ込む力、そしてキャラクターの心を伝えようとする姿勢に畏敬の念を送りたい。
ネットで松村麻美のキャラの評価は性悪女というイメージしかなかった。でも、本当はそうじゃないと伝えたいのは松村麻美もそうだが、原作者だってそうだろう。自分の作りだしたキャラクター、息子や娘みたいな存在が不当な評価を受けているのだ。
何としてでも、このドラマで松村麻美の評価を覆したい。相手のことを想って身を引いて、ヒロインと主人公に幸せになってほしいがために、身を削ることができる素敵な女性なのだから。
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