第25話 終わりの始まり

遂に最後のロケ地である鹿児島に到着。

本当にこれで最後だという実感があまりわかない。このメンバーで、この後関西、関東でのロケを続けて行うと言われてもおかしくないくらいだ。


これまでの収録で、詳しくないからこそ新鮮に感じられるし、楽しいと思えるようになった。

私は初めての場所だけど、この番組をみる人にとっては知っている場所でも新鮮な気持ちを再度味わえるようになればと、最終日の今日の収録に臨む。


でも、これで最後である。最後に相応しい収録にしよう。


「えぇやばいですね、ばり綺麗です!」


歩くこと数十分で目的地に到着。目の前には、滝から流れた水面がエメラルドグリーンに輝き、圧巻の景色があった。こんなに綺麗な景色があるのかと思えた。

周りの観光客の方も、私と同じように景色を見て悦に浸っている人や、写真撮影を行う人も多かった。


「すみません、旅行でいらっしゃったんですか?」


「そうですね、以前友人から送られた写真が綺麗だったので生で見てみたいと思ってたんです」


「どうですか、生でみてみて?」


「最高です」


ですよね〜、と観光客の方と話をした。ついでに、名前を聞かれ応援してくれるとファンの獲得もでき、非常に有意義な時間を過ごせた。


次にやってきたのは砂風呂だ。今回の収録で足湯や温泉は浸かってきたのだが、砂風呂は初である。



「これは…お湯とは違う良さがありますね。肌の感じが前よりよくなった気がします」


砂風呂を満喫し、出ようとしたらスタッフさんが砂を掛けすぎたみたいで出られなくなった。こんなアクシデントも発生したが、笑って過ごせる時間になった。

ただ橋本さんは、安全面での不備に対してスタッフさんに雷を落としていたので、私が仲裁に入るという初めの頃は考えられなかったチーム仲が生まれていると、実感できて嬉しかった。



そして、昼食休憩になったのだが、昼食はロケ地でとるとのことだ。ということで、バスに乗り目的地へ。

着いた場所には、流しそうめんを行う看板が。

もちろん、ライス、パンや肉、魚などのメニューもしっかりとあり、流しそうめんを楽しんで、料理も楽しめる場所になっている。

流しそうめんは、私とスタッフさん対抗で行われた。

奈緒ちゃんが妙に張り切っていたが、するりと麺が抜けていき、零れたのを私が掴むという結果に終わった。


「あかり姉さん…ちょうだい?」


かわいい妹に強請られてあげない阿呆は存在しないので、半分こした。美味しそうに、楽しそうに食べる様子をみて、いつか2人きりでご飯に誘えればと思った。



そして最後の収録場所になる桜島に到着。


空は青空から、多少赤みがかってきた時間となっていた。

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