黒い空
大学生になったんだからバイトしなくちゃ、なんて考えすぎてこんな夜中までシフトを入れてしまったのが失敗だった。店の外に出てみれば、街灯がなかったら何も見えないだろう夜に包まれていた。
こんなときは家が恋しくなる。今暮らしている一人暮らしの拠点なんかじゃなくて、家族がいて温かいあの実家が。どうせ帰っても今と同じ孤独が寄り添ってくるのだと思うと、少し辛いところがある。
友人はいる、とても仲良くしてくれている。それにバイトの先輩も近所のおばさんも、いい人ばかり。ただ高校を卒業してから発生し始めた、自分の周りにあるほの暗いオーラみたいなものは変わらずここにある。
ため息を吐いて、空を見上げる。月すら見えない黒い空を。
お題「闇夜」
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