第8話 雨音

激しく窓打つ雨音は、遠い記憶を運ぶ音。

昔は雨戸が大好きで、家中閉めて回ってた。

蝋燭ろうそくともしじっと炎を見つめていると。

闇にとらわれる感覚が、じわりと心にみてきた。


大人になった僕は知る。

寂しくなったら手を繋ぎ、怖くなったら抱きしめて。

二人の夜に雨は優しい音を響かせる。

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