140字で紡ぐ幸の物語【愛しさ編】

井上 幸

第1話 時を読むあなた

グッと引かれて振り返る。

そこにはしかめっ面したあなたが居て。

掴まれた腕に伝わるその熱に、私は何も言えなくて。

只々ただただ、時を読むあなたから目が離せない。


間に合う。走るぞ。


そこにある熱が嬉しくて。

いつかは終わるのだとしても。

今はもう少しだけ、あなたのそばに居たいと思う。

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