君に送る言葉

赤坂 葵

無題

 最低だ。

 あの時、逃げなければ……。


 最悪だ。

 僕は、もう二度と君に……。


 静まり返った夜の道をあるきながら、深いため息が出てくる。

 雪がさらさらと降っている中、僕のため息が空気を白く染める。

 白い彼らは僕を抱きしめ、励まそうとしていた。しかし、僕はどうしても悲しさを隠せなかった。


 もう消えてしまいたい。


 どうすればいいのだろう。僕は頭を抱えて悩んでいた。

 そして、僕は……。


 「死」を選んだ。


 僕を心配する人なんて、探してもどこにもいないだろう。

 あの時の僕は、そんな馬鹿げたことを考えていた。

 しかし、彼女のこの顔を見てしまった時、後悔のあまり発狂してしまいそうだった。


 ごめん。


 彼女に向かって、これだけでも言いたかった。しかし僕には、そんなことさえ許されないのだった。

 当たり前だ。僕と彼女は違う。彼女は可愛くてモテて、それに誰とでも仲良くできる。僕と真逆の存在だ。


 あと一歩。どう足掻いても彼女には届かなかった。


 もう遅い。そんなことは自分が一番わかっている。しかし、それを認めたくない自分がいた。


 あの時、自分が死ぬことを選ばなければ、彼女は今頃元気だったはずだ。

 僕のせいで……。僕の、せいで……。


 後悔しても遅かった。


 僕は真っ暗になる視界と共に、彼女への謝罪を声に乗せた。

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君に送る言葉 赤坂 葵 @akasaka_aoi

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