第2話 2.死線の向こう

あの爺ヤバいぞ!!

爺が振り上げた白銀に輝く刀身は今にも女神と俺も一緒に切り裂こうとしている。

見ただけでも解る!!

あの刀身がヤバい物だと言う事を!!

あれは神の神格を切り裂ける物!!

あの爺の顔は女神様の命を刈り取れる事を確信した顔だ!!


クソ~~間に合わない!!

折角魔法のある世界に行けると思ったのに!!


『俺達は此処で殺されるのか?』


絶対に


それは



『イヤダーーーー!!』


俺は生き延びるんだ!!

こんな糞爺にこんな所で殺されるものか~~!!


俺は一瞬女神様の顔を見る


『悔し涙?』



絶望?


女神様の俺に伸ばした手・・・


俺に何かを託している?


こんな所で死ぬのはイヤダ・・・と訴えているような眼差しに


俺の心は一瞬


『キュン』



っと締め付けられる。

その瞬間世界が止まった?


一瞬で振り抜こうとしていた白髪の老人が繰り出した刀身がゆっくりとスローモーションのように振り下ろされてくるのが見える。


これは?


『死ぬ前に見ると言う走馬灯?』


いや!!


死にたく無い!!


俺の思考は息の頃方法を高速で思考を開始する!!

『何か無いか?』


『何か!!』


『何か!!』


『何か!!』


『何か!!』


『何か!!』


死ぬ寸前という物は凄い物だ!!

生き残る最適方法を探し出す!!



俺の頭の中で一瞬閃いた!!


俺の体が半分ほど飲み込まれた転移陣の中で

俺は頭の中に浮かんだ言葉を叫んだ


「召喚魔法作成!!」


と唱え

俺は女神様に視線を合わせた瞬間!!


ありったけの声で叫んだ


「女神召喚」











俺が




「女神召喚」



っと叫んだ瞬間

俺の腕の中に


『すぽんっ』


っと女神様の柔らかな体が抱き込まれ



俺と女神様は異世界への転移陣に飲み込まれた。


その瞬間糞爺の神剣の刀身が俺達の消えた何も無い空間を時間差で切り裂いた。


「何~~~!!」

「ここまで追い詰めたのに!!」


「逃がさん!!」


「逃がさんぞ~~!!ジェイド神、ドリス神、ドニアス神奴らを塵も残さず焼き殺せ」


糞爺の怒号が神域に響いたのだった。



女神様を抱き締めた俺は?


「ウヲォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」


絶賛悲鳴を上げながら空中を命綱無しでバンジージャンプ中である。

ヤバい!!

「女神様よ~急いでいたとはいえ、もっと安全な所に転移してくれよぉ~~」

「バルス神の叫び声で手元が狂ってしまいました。ごめんなさい」


そう言って俺の胸に顔を埋める女神様


ドキドキする!!

まさか、女神様を本当に召喚出来るとは思っても見なかったぜ

めちゃめちゃ柔らかい感触が~~~


『煩悩退散』





いや!!

今はそんな事を考えている場合じゃ無い!!

最後に糞爺


「奴らを塵も残さず焼き殺せ」


って言ってたな!!

この状態で攻撃されたら一瞬で殺されてしまう!!


死ぬわけにはいかないんだよ!!

頭の中に浮かんだ言葉を俺は叫ぶ


「不老不死魔法作成」


そう叫んだ後


「俺と女神アルテナを不老不死に!!」


そう叫んだ瞬間

「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ」


「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ」


「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ」


俺とアルテナの居る空間全部が無数に生み出された雷撃により真っ白に染まる


「ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガーー」

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


俺とアルテナの断末魔の叫び声が響いた。


全身を激痛が走る

こんな仕打ちをした糞神に怒りが沸き上がって来る

アルテナは実体化した為か全身に走る激痛の為に気絶しているよう

痛みで薄れそうになる意識を無理やり保って


「絶対に許せねぇ~~ぞ~~~」

煮えくり返る意識の中で

「魔法創造!!反射悪意1億倍返し!!」

と叫んだ後


「起動~~反射悪意1億倍返し!!」


と叫んで上空に片手をあげ挑発!!


神域では


バルス神、ジェイド神、ドリス神、ドニアス神が同時に


「「「「セイクリッドソード」」」」


と唱えると零と女神アルテナの周りに空を埋め尽くす真っ白に輝く1メートル程の剣が出現し気絶した女神抱き締めた零達に向かって一気に撃ち込まれた。


セイクリッドソードが零と女神アルテナに撃ち込まれた瞬間、零と女神アルテナの体に触れる瞬間空を真っ白に染めたセイクリッドソードが消えた瞬間、その空を真っ白に染める程のセイクリッドソードが1億倍の威力を伴って神域に出現しバルス神、ジェイド神、ドリス神、ドニアス神を襲った。


「グギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「グギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「グギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「グギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


バルス神、ジェイド神、ドリス神、ドニアス神の悪意の1億倍返しされた威力で神格を凄い勢いで削って行く。


残ったのは、神域を漂う小さな光の玉が4つ・・・




・・・・




・・・・


神の攻撃を1億倍返しで退けた零と女神アルテナ

だが・・


「うをぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」



絶賛空中を命綱無しのバンジージャンプ中であった。



つづく・・・・

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