-44- 「狐面の子2」

 スーパー八百万の横の林で、狐面の男の子と遊んでいると、日暮れ前に必ずその子のお母さんが迎えに来る。


 着物姿の優しそうな女の人で、その子と手を繋いで帰って行く。


 いつも遊んでくれてありがとう、と時々差し入れをくれるのだけれど、木の実や山菜、きのこ等で、何だかそこらの山で採ってきた様な物ばかりだ。


 狐面の子もそうだけど、何度会っても、後で顔を思い出そうとすると、どうしても思い出せない。

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