-19- 「殺人エレベータ-」

 ショッピングセンターのJUONにノートを買いに行った時、上の階に行く為にエレベーターのボタンを押した。


 すると、すぐに扉が開いたので、乗ろうと思って前に進んだ。


 けれど、扉の向こうは真っ暗だったので、すぐに足を止めた。


 エレベーターの扉は空いたけれど、人が乗る為のカゴがはまだ来ておらず、真っ暗な空間が上へ、下へと続いている。


 気付かず扉の向こうに進んでいたら、真っ逆さまに落ちていたところだ。


 首だけ突っ込んで下を覗いても、暗くて底が見えない。


 と、上から何かが近づいて来る音が聞こえて、慌てて首を引っ込めた。


 次の瞬間、誰も乗ってないカゴが降りてきて、この階で止まった。


 危ない、間一髪でギロチンを免れた。


 ちっ、と誰かが舌打ちした様な音が、微かに聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る