推しと恋仲になれるってマジですか?
かーずー
プロローグ
「ふぅ……今回も面白かったな」
そう言いながらさっき読んでいた本を本棚に戻した。
いまさっき俺が読んでいたのはラブコメ、いわゆる主人公とヒロインがイチャつく俺達オタクにはとても、とーっても羨ましいお話である。もちろん俺の感想だが、他の人に聞いても同じような返答がくるだろう。
話のストーリーとしては自堕落な生活を送る主人公を見かねたヒロインが何かとお世話をして、お互いに心を開く青春ラブストーリーである。
俺の推しはヒロインのめぐたん。容姿端麗、文武両道、挙句の果てには家事スルルまで持ち合わせている。そんな完璧美少女と自堕落な生活を送る主人公との甘く焦れったいラブコメである。正直、いやかなり、いやとても羨ましい。
「俺もこんな恋愛してみてぇな……」
彼女いない歴=年齢の俺は彼女は愚か仲の良い異性すらいない。なんでラノベ主人公は俺と同じようなステータスなのに彼女ができるんだよ……
「はぁ、俺もめっちゃ可愛いヒロインとイチャイチャしてぇよぉ……」
思わず心の声が出てしまった。しかしそんな声は誰にも聞こえずただ呆然としていた。
1人寂しくさっき読んでいた本の感想を頭の中でまとめいると話の内容を、思い出して余計に寂しくなった。
なんで俺には彼女ができずに同じようなステータスをもった別の人はできるんだよ。
顔か? 顔なのか?確かに俺はイケメンでは無い。けども!!
結局この世は顔で決まるのか……。と
1人寂しく落ち込んでいるとピンポーン と下の方でインターホンが鳴った。
「なんだよ、宅配便か?」
となんの確認もせずに自室を出て階段を駆け足で降り、玄関を開けた。そしてその光景に目を疑った。
「………めぐたん?」
そう目の前には俺の大好きなライトノベルに出てくるヒロインのめぐみ(通称めぐたん)が困った顔をして立っていた。
「あ、あの、ト、トイレ貸してくれませんか……」
しかしその声は聞こえず、自分はポカーンとしていた。だって推しだぜ?推し。推しが現実に現れたんだぜ? 夢か? 夢なのか? 夢ならば覚めないでくれ。
「あ、あの!トイレ貸してください。」
と焦ったように身体を揺すられ初めて彼女の声に反応した。
「え? あ、トイレ?ど、どうぞ。」
とトイレのある方角言うとめぐたんは早足でトイレに行ってしまった。
「めぐたんが家のトイレ使ってる、しかもいい匂いだったな。」
ん? ……めぐたんが家にいてトイレにいる?
「え?めぐたんが現実にいるー!?」
その魂の叫びもトイレの流す音にかき消された。
推しと恋仲になれるってマジですか? かーずー @kkk_www_
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