第12話 張り合う2人(メリーさんと咲のターン)
どうしてこうなった……。
俺の今の体勢をお伝えしよう。
ベットの真ん中に俺がいて、左には咲が、右にはメリーが添い寝してるような状態だ。
パッと見たら誰もが「美女に囲まれてやがってこいつ……ぶっ〇す! このハーレム野郎が!」って思うだろうが、それは違う。
「さっきからメリーばっかり見て、わたしのこともちゃんと見て欲しいからこっちに体向けてよ悠真」
「―――――」
『ふふ……このままでいいですよゆーまくん。かっこいいです……』
メリーは少し顔を赤くしながら、俺の顔をぺたぺたと触ってくる。
「あっ、 ズルい! わたしにも触らせてよ!」
セクハラでしょうか?
俺は只今セクハラを受けている最中なんでしょうか?
こんな美女に囲まれて体をあちこち触られるのは、俺にとって苦痛でしかない。
「あっ、そうだ。わたしずっと気になってたことがあって……」
咲は手を止めると肘枕をしながら言った。
「メリーってずっとこの格好なの?」
『そうですけど……』
「悠真、今までこの格好見てなんとも思ってなかったの?」
ジト目で見るな。
メリーがボロボロのワンピース着てるから少し露出が多いとか気にしたこと1回も無いからな?
『えっ、ゆーまくんってそんな性格だったんですか?』
「違うわ! はぁ、とにかく俺も何となく思ってたよ」
しばらくメリーの格好を見ていると、もうちょっと女の子らしくお洒落してもいいんじゃないかって思い始めていた。
ちょっと可哀想って思う。
『でも……メリーはあんまりこだわりなくて』
「そこよ!」
咲はビシィッとメリーに指をさす。
「メリーも女の子なんだから、女の子らしくお洒落しなさい。これはわたしの命令ね」
『め、命令ですか!?』
「明日の昼に行くわよ、決まりね」
「勝手に物事が進んだな……」
「良い? 悠真。これは重大な問題なの。そうねぇ―――例えるなら……」
「例えるなら?」
「――――とにかく重大なの!」
「例え無いのかい!」
相変わらずだ。
これだけいい容姿してるのに、少し抜けているところがある。
「む、なんか失礼なこと考えてない?」
「別に」
『ゆーまくん、もしメリーが今時流行りの服を着たらどんな感じですか? 似合ってますか?』
「うーん……」
今時の女子の服ねぇ。
とりあえず頭の中で咲のよく着ている服装をメリーに当てはめてみる。
そしてついでに制服姿も……。
「結構似合ってるんじゃないか?」
『ほんとですか!? ゆーまくんがそう言ってくれるのなら間違いなしです!』
なんかやる気になっちゃったみたいだ。
でも、メリーが今流行りの服を着てるところ見てみたいな。
明日が楽しみすぎる……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます