第8話
「ふぅ〜遊んだな〜」
「もうヘトヘト」
「蒼太・・・・・・お前は浮き輪に乗ってただけで泳いではないだろ・・・・・・」
「これでも、結構身体使うからね?」
はぁ・・・・・・と少し呆れた返事をしつつ、海から上がる。
「じゃあそろそろ行きますか・・・・・・」
「ついて行くだけだからなっ?!」
「分かった、分かった」
三村と一緒に、見る感じ人が多そうな所へ行く。蒼太はというと、疲れたらしく、パラソルの日陰の中で横になるらしい。
帰りにジュースを買ってきてと頼まれた。自分で行けと言いたかったが、蒼太はもう眠っていた。
あとで2倍の値段を請求しようと、考えていた。それに足して報酬としてもお金をもらうことを考えていた。
それほど、めんどくさいのだ。ただでさえやりたくもない三村のナンパに付き合わされるんだ。
「そういえばお前、髪の毛あげると、別人のようにイケメンだよな」
「なんだよ急に・・・・・・気持ち悪いな」
「いや、髪の毛切れば、絶対モテるのになぁって」
「別にモテたくないし」
「俺はお前を心配してるんだよ・・・・・・」
「・・・・・・余計なお世話だ」
泣きマネをしてきたので、流石にイラッときて、三村の腕を軽めに叩く。
少し歩いていると、前にいい感じの女性2人組がいたので、三村は真っ先にナンパしに行った。
しかし、三村は少し喋ったらすぐに戻ってきた。なにか、成果はあったのかと三村の表情を見ると、そんなものではない事はすぐにわかった。
「どっちも彼氏と来てるらしい・・・・・・」
「どんまい」
一言そう言って、三村を慰めた。
そのあとの三村はどんどんと女の子にナンパを仕掛けるが、三村のナンパの戦績は全敗だった。
「お前も見てないで、1人くらいナンパしてこい!俺だけ悲しい思いをするのは嫌だっ!」
「いやっ、でも俺興味ないし・・・・・・ついて行くだけって言ったじゃん」
三村は自分がナンパに成功しないのが俺まで道連れにしようとしてくる。
「そんなのもう関係ねぇ!お前も道連れだ!」
「はぁ??」
「ほらっ!あそこの2人組結構レベル高そうだぞ!行ってこいっ!」
そう言うと三村は俺を女性2人組が前から歩いてくる所に突き出す。
「お、おいっ!三村っ!」
すると、三村は違う方向へ走って逃げた。
あとでアイツとはしっかり話さなといけないな。
「お、お、おねぇさんたち〜?そ、その、綺麗ですね!」
「えっ・・・・・・」
相手も俺も困惑状態だ。俺だってやりたくてやるわけじゃない。
しかし、ここまで来た以上、なんとか適当にやり過ごさなければ。
「お、お茶とかどう?奢るよ?」
「結構顔はタイプかも・・・・・・」
女性の1人がそう言ってくれて、少し嬉しかったのは事実だが、そんなこと言わないで、ごめんなさいの一言が欲しかった。
「えぇ〜、でもさぁやめとこ?」
もう1人の女性の方が、そう言ってくれたので、よかった・・・・・・これで何事もなく・・・・・・なぜかその女性は俺の方を見てニヤニヤしていた。
最初は思い過ごしだと思っていたのだが、いつもと雰囲気が違くて、気づかなかった。
俺がナンパした女性は白河だった。
「まぁ、そうだねー、ごめんなさいー」
「ごめんなさいー」
「あ、いやっ、うん、こちらこそごめん」
そう言って、ナンパした女性と別れた。
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