第33話 身体強化
「あー。 島での生活の方が、まだマシだなあ」
「自然一杯で充実してるよね」
「来週からはカフェシエルだな」
「そういえば、二号店オープンしたらしいね」
「マジ? あの時は話しかしてなかったからなあ」
「注文を取るんじゃなくて、先に食べたい物を取って、会計をして席に着いて食べるんだって~」
「へ~。 ま、そっちの方が早いから良いだろうけど、俺は一号店の雰囲気が好きだな」
◇
「あー。 今日も変わりばえない1日だったな」
「では、担当教師である私から1つ、君に言おう。 歩きながらで構わない」
「うわ! ウィロー先生……」
「昨日、模擬戦をしたのを覚えてるか?」
「はい。 瞬殺だった模擬戦ですね」
「それでは、Bクラスのビスターくんは覚えてるか?」
「あー。 僕らの事を『並くらい』と言って場外負けした子ですか」
「そうだな。 その瞬殺されたビスターくんの父と騎士団長が君に面会の為、応接室で今まさに待っている」
「何となく嫌な予感が……」
「じゃ、レン、私シエルがあるから!」
「じゃ、俺も……」
「君には私と一緒に来てもらう」
コンコン
「どうぞ」
「失礼します。 Aクラス教師のウィローです」
「失礼します。 レンです」
「君がレン殿か。 初めまして、聞いたかも知れないが、私はバスター・フォン・バルファー。 愚息ビスターの父親だ」
バスターさんの話はこうだ。
昨日模擬戦で愚息が負け、逆恨みをした。
王族が模擬戦で不正して勝った。
確証が持てず確認の為、その日の内に教師に問うた。
しかし、証拠の映像を見せてもらって、愚息が逆恨みをしていた事が判明。
以降、愚息と呼び方を変えた。
レン殿が身体強化をしている事に気づき、是非その身体強化を教えて欲しくこうして参った。
という、感じだった。
「身体強化……ですか。 たしかに使いはしましたが、あれは、かなり抑えた状態です」
「あれでか?!」
「はい。 模擬戦を始める前にウィロー先生から『殺したりしない様に、最大限手加減しなさい』と言われたので……」
「もし手加減していなかったら、骨が砕けてたと思います」
「ぬぅ。 それでは騎士団の訓練に取り入れるのは、厳しいな」
「騎士団長もそう思いますか」
「ああ、下手をすれば死人が出るやも知れん」
「私は、レン殿の身体強化を知りたいと思っている」
「身体強化については、俺も教わった身なので教える事は出来ます。 けど、師匠の方が教えるのは上手いです」
「なら、レン殿に教えた者を紹介して欲しい」
「紹介する分には構わないと思います。 でも教えてもらえるかはわかりません」
「それでも良い、感謝する」
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