第2話 カルチャーショック

兎に角、カンボジアに行くことが決まった。

日本からカンボジアに直通で行く飛行機はない。

だから、シンガポールを経由してカンボジアまで行くことになる。

そのシンガポールからカンボジアに行く便が中々の曲者だった。

僕の知っている飛行機はANAやJALの大きな白い立派な飛行機である。

中は綺麗で、椅子も弾力がある座り心地の良いものだ。

しかし、カンボジア行きの飛行機は小さくて中もちょっと汚かったのだ。

後進国とは聞いていたが、そうした部分が飛行機から感じられるのには少し感動した覚えがある。

そしてぶらりと飛行機を楽しみ、カンボジアの首都に到着した。

因みにカンボジアと日本との時差は2時間ある。

シンガポールまで8時間、シンガポールから2時間の距離だ。

位置としてはタイとベトナムに挟まれた東南アジアの国である。

名前は馴染みがないかもしれないが、カンボジアの首都はプノンペンと言う。

アンコールワットではないので、是非覚えておいて欲しい。


空港に降りたつと、その時点で日本とは違っていた。

まず、飛行機から降りて空港の建物内へと歩いて行かないと行けないことに驚きだった。

そして、外に立つと異様な暑さだった。

太陽が直撃し、本当に暑かった。

だが、日本のようなジメッとした空気はなく、カラッとした暑さなので、案外木陰が涼しく感じるのだ。

気候も全く違うことを肌で感じていた。


そしてプノンペンの空港で手荷物を取ると、現地の方が出迎えてくれた。


まあ、カンボジアでお坊さんになると言っても父の知り合いであるカンボジア人の方が提案してくれたことだ。

異国の地でいきなりお寺探しから始めた訳でわないから、ベリーハードな人生ではないのだ。

折檻の意味合いも強かったのだろう。


出迎えてくれた車はトヨタの車だった。

そして、外を見るとめちゃくちゃバイクが多い。

日本都内でのバイクと車の比率を逆にしたんじゃないか。

それくらいバイクが多く、そこで文化の違いをひしひしと感じた。

カンボジアではバイクの文化らしく、移動するにも全てが大体バイクなのだ。

都内を巡回するバスもなければ列車もないので交通機関があまり整っていないのである。

東京都内みたいな都内どこを歩いても地下鉄やバス停があるのがそもそも恵まれたことなのだ。


ちなみに、カンボジアで長期滞在するにはVISAを取得する必要がある。

1つは就労VISA

2つ目は学生VISA

そして、3つ目がお坊さんVISAだ。


今回、私がとったのは3つ目になる。

日本人としてお坊さんVISAとってカンボジアに滞在した人は何人ぐらいいるんだろうか…

そんなこんなでカンボジアに僕は入国したのだ。

憂鬱な気持ちがなんだか日差しを浴びて晴れやかになったのをよく覚えている。


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