第39話 ドラゴンを呼んでみる


ついにこの時が来た!

異世界に転移されられて、ついに俺はドラゴンの肉を食す事が出来る!!


そんなハイテンションな俺の前には、炎龍の肉で作ったローストビーフと新鮮な内臓を使ったパテドカンパーニュが並んでいる。


「では、いただきまーす!!やっぱり最初はローストビーフからだよな!!」


俺はナイフとフォークを持ちローストビーフを食べる。


「もぐもぐもぐ………う、美味すぎる……なんだこの肉、俺が今まで食べた中で断トツでNo.1の美味さだ!!これ売ってたら100gあたり、10万くらいしてもおかしくないレベルだぞ!!前食べたオークロードなんて足元にも及ばないぞって、あれ?何で涙が?」


俺はドラゴン肉のあまりの美味さから思わず涙を流しながらひたすら肉を食べていた。


ローストビーフを食べ終えた俺は今度はパテドカンパーニュを食べる。


「まずはそのまま一口食べてっと!もぐ、もぐ、もぐ……う、美味い!美味いが、ローストビーフ程の感動は無いな?今度はパンにつけてっと……うめー!!サクサクのパンとねっとりとした舌触りのパテドカンパーニュが噛んだ時に絶妙なバランスで溶け合っているぞ!これは食が進む、まさに最高の前菜だ!俺の店にも出したいくらいだよ!!」


俺はあっという間に平らげると、今夜の寝床を土魔法で作ってから眠りについた。


翌日


窓から差し込む朝日によって起きた俺は、恒例の女神メールを確認する。


「おっ!今日は来てないみたいだな!良かった、良かった!」


ステータス欄の方も確認した俺は外に出ると作り置きしていたドラゴン肉のサンドイッチを食べてから、昨日の続きをする事にした。


「まずは昨日と同じように図鑑からゴブリンとオークを召喚してみるか」


俺は蒐集図鑑からゴブリンとオークを召喚して色々と実験をした後、2体を図鑑に戻す。


これまでの実験で分かったこと


まず、召喚したモンスターは俺の命令に絶対服従で、俺が死ねと言えば自死する。


次に、一度に召喚出来るモンスターの数はおそらく無限である。


そして一番重要なのは、ある程度知能が高いモンスターならば、会話が出来ると言う事だ!これに関しては、ゴブリンやオークでは分からなかったが、ホブゴブリンやハイオークと言った上位種を召喚して確認する事が出来た。


ようやくスキル「蒐集図鑑」の仕組みを理解した俺は、満を辞してついに炎龍を呼び出す事にした。


「よし、出てこい炎龍!!」


俺が図鑑を開いて魔力を流すと、いきなり目の前が光だした。


「まぶしっ!!」


しばらくして光が収まるとそこから炎龍が出てきた。


『がおー!!』


叫び声を上げる炎龍に俺は鑑定をかける。


名前  ???

種族  炎龍(幼体)

レベル  29


ステータス

攻撃 3500

防御 2500

魔力 3500

魔防 2700

速さ 4650


スキル

火炎砲  飛行  鉄爪  

魔法抵抗 火魔法 など


状態

服従


説明

相田圭太の従魔

炎龍の幼体。

炎龍は飛べるようになると親元を離れて1匹で生きていく。


ステータスやレベルは変わっていないが、名前の欄が?マークに変わっていた。


「何で名前が?マークになってるんだ?他のゴブリンやらオークの欄はなしだったのに?」


俺が不思議がっていると、炎龍が俺の側に近づいて来て頬を舐める。


「うわ!お前いきなり何するんだよ!」


俺が引き離すと炎龍はどこか寂しそうな表情をしながら潤んだ瞳で俺の事を見てくる。

俺はそんな炎龍を見てある事を思い出した。


「お前、もしかして俺に名前をつけて欲しいのか?」


俺がそう聞くと、炎龍は何度も首を縦に振る。どうやら当たりのようだ!


(やっぱりな!俺が昔飼っていた犬に名前をつける時と、同じ目をしてたからそうじゃないかなぁ〜と思ったんだよなぁ!!)


心の中でガッツポーズをとった後、俺は目の前の炎龍の名前を考える。


「うーん、炎龍って言えばやっぱりリオ○レウスとかイグニー○とかだけど、流石にそれじゃあ捻りも無いよなぁ〜……あっ!そう言えばコイツってオスなのかメスなのか知らねーや?」


俺は鑑定欄をもう一度見る


名前  なし  メス

種族  炎龍(幼体)

レベル  29


ステータス

攻撃 3500

防御 2500

魔力 3500

魔防 2700

速さ 4650


スキル

火炎砲  飛行  鉄爪  

魔法抵抗 火魔法 など

状態

服従


説明

相田圭太の従魔

炎龍の幼体。

炎龍は飛べるようになると親元を離れて1匹で生きていく。



「えーえ!!まさかのメスだったわ!!あっぶねー!もう少しで『バラン』とか『ファフニール』とかオス系統の名前をつける所だったわ。うーん、メスかぁ……」


残念ながら、俺の中で候補に浮かんでいた名前は全て、炎龍がオスだと思って考えていたので最初から考え直しとなってしまった。


「たしか、どこかの国の国旗に赤い竜がかいてあったような……えーと、あっ!そうだ!『ドライグ』だった気がする。それなら……よし、『トーラ』にしよう!」


俺は名前を決めると炎龍の側に近づき顔に手を当てながら


「いいか、今日からお前の名前は『カーラ』だ!」


『ガァァァァァー!!』


「うおっ!何だ?魔力が減ったぞ?」


俺が名付けをすると何故か魔力が減り、炎龍ことカーラが光った。

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