第123話

第123話 木の病

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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ローズ「幹が白くなってるなら……灰皮病かも」


キャッツ「カイヒビョウ?」


ローズ「うん、灰みたいに木の皮が白くなっちゃう病気」


フィスト「そんなんあるんやね」


リーフ「聞いたことある……その病気にかかった木は、生きる力が減っていく、って……」


ジャンヌ「枯れて朽ちていくってことか」


マリア「で、この周りにもたくさん白くなったスミクヌギがあるってことは、伝染病なのね?」


ローズ「うん。そうらしいの。ほっとけば、スミクヌギだけじゃなくて、他の木にもうつっちゃうかも」


マリン「んで、肝心なとこさ、その灰皮病ってさ、人にうつるわけ?」


サリー「鳥さんたちが言ってたこと考えたら、そうなるもんね……」


ローズ「えっと、人にはうつらないよ。灰皮病の菌は植物の細胞にしか定着しないの。動物にはうつらないわ」


フィスト「ま、そんならひと安心ってわけやね」


???『ちがうよ』


リーフ「だ、誰!?」


ジャンヌ「どうしたの?動物?」


リーフ「う、うん」


???『しろくなるびょうきはこのもりののろいさ。どこからともなくはじまって、まわりにうつっていくんだ』


リーフが周囲の木々を見渡し、ある一点を見つめて叫びました。


リーフ「そこ!そこにいるのね?出てきて!」


8人がニナの視線の先を見つめます。

白くなったスミクヌギの木の枝。そのうちの細い一本が、急にグニャリと意思を持ったように動き出しました。


???『しつれいだな。さいしょからかくれてなんかないよ』


ジャンヌ「へ、へへへへヘビ!?」


リーフ「大丈夫、小さいし、まだ子どもだよ」


ブラド「そ、そういう問題ちゃうの!」


リーフ「男の子だよね?名前、教えてくれる?」


ミイ『……ミイ』


リーフ「ミイね、すてきな名前ね」

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