第110話

第110話 王の帰還

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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キャッツが鳥人族の国王と衛兵ふたりを連れて(実際にはキャッツが運んでもらっていたのですが)戻ってきたのは、神殿から飛び降りた次の日の昼過ぎでした。


キャッツは神殿の端から、9人とアウル大臣が待っていたところに歩いて近づいてきました。


キャッツ「あれ?みんな、ここに戻るってわかってたの?」


ブラド「なんとなーく、ね」


ジャンヌ「で、どうだった?」


キャッツ「彼にきいてよ」


キャッツは親指を立てて、彼女の後ろに立つ国王を指しました。


ホーク「…………」


全員が、国王の言葉を待って、押し黙ります。

しかし、当の国王本人も、何も言えずにいました。

大臣が一歩進み出て、言いました。


アウル「国王陛下、無事にお帰りいただけて何よりです。まずはそのことを、臣下として」


ホーク「アウルよ」


ホークが遮りました。

彼の頭の中には、ドワーフの里で見た技術の数々、そしてそれを使って豊かに暮らすドワーフたちの顔が、よぎっていました。


アウル「…………はい。何でしょう」


アウルは少し間を置いて、返事をしました。

国王が何を言い出すのかはわからない。しかし、老いたこの身は、若き国王のために尽くそう。と肚を決めたのでした。


ホーク「鳥人族には、何がある?」


アウル「翼があります」


ホーク「それしかないのか!?」


若き国王の大きな声は、悲痛で、泣き声のようにも聞こえました。


ホーク「昨日あの娘が言ったように!鳥人族は翼を持つ……翼しか持たない種族なのか!?」


アウルが言葉を出せずにいると、キャッツが口を挟みました。


キャッツ「あー、ごめん、あのときのことは謝るわ……私も言い過ぎた」


フィスト「ほんとね(笑)」


キャッツ「うっさいわね!謝るって言うより、撤回させて」


国王と大臣、ふたりの鳥人がキャッツを見ます。


キャッツ「あなたたちに、大空を運んでもらってわかったの」


キャッツは興奮を隠せなくなりました。


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