アナタへの嫉妬
水縹❀理緒
アナタへの嫉妬、私の罪
。
聞こえてる?
私の歌声
アナタに届いてる?
この思い
懐かしいね
晴れた夏の日に、2人で走り回った事
転んで地べたに寝転がって、笑いあって
空を見上げていた日
暖炉をかこって、温まって、
スープを2人で分け合った
この世界には、2人だけ
それだけでいい
未来は、明るいものだと信じてた
今では、色褪せて
枯れてしまったよ
不思議な事にアナタは悲しい顔をしなかった
私の前でも、家族の前でも
強がっているのかって思うほどに
涙を流さなかった
アナタより辛くない私がこんなにも泣いているのに
ねぇどうして?
アナタは幸せというの?
私の手をとって、
『ありがとう』だなんて
やめてよ
これはきっと、私の醜い所だわ
私は幸せなんかじゃない
アナタは何を思っていたの?
最期に見た景色はそんなに綺麗だったの?
死は、神のもとに帰る幸せと誰かは言うけれど
残される私の思いはどうなるの
幸せなアナタが、羨ましい
こんなにも私は声をあげているのに
この声が枯れたって
アナタには届かないというのに
私にぐらい
見せて欲しかった
生きてて欲しかった
これはただのワガママ
これは私の罪
ごめんね
ありがとう
幸せに
。
【終】
アナタへの嫉妬 水縹❀理緒 @riorayuuuuuru071
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