異世界通販で頑張ります

@katuniro

第1話突然な異世界通販




いつの頃からだろうか?薬草を採集して生活をしていたのは、・・・そうか2年前からだった。

あの頃は、まだ希望にあふれていて、恐れを知らず挑んでいた気がする。

2年前に俺が生まれた村では、15歳になると【恩恵の儀式】が行われる。

それは神から人間への贈り物で恩恵と呼ばれている。

その為、その恩恵で人生は決まると言ってもいい。

その儀式で俺が授かった恩恵は、神父にも読めない文字で書かれていた。


その日に父から「お前みたいな能無しは出ていけ」と言われて、俺は出て行くしかなかった。

俺は能無しでは無い。ただ恩恵が何なのか分からないだけなんだ。


丁度隣町から来ていた雑貨商のバードおじさんに、頼み込み隣町まで連れて行って貰った。

バーラーの町はダンジョンと鉱山で賑わう町で、俺みたいな人間でもどうにか暮らしていける。


しかし俺は冒険者として頑張れると思っていた。


だが冒険者はそう甘い世界でなかった。

弱い者はすぐ死ぬ、それが冒険者だと体験させらて今に至っている。


この薬草を5束で10ギーでポーション店に売って日々の生活を送っている。

キラーラビットが来ないか警戒しながらの作業。


あ!キラーラビットが来やがった。

急いで逃げ出したが、目の前に待構えるキラーラビットがいた。

俺はまんまとしてやられたと思った。

俺の首を狙って角が迫ってくるが、両手で掴み後ろへ倒れると角を掴んだ手がはなれてしまう。

急ぎ立ち上がってキラーラビットを見る。

俺を追っていたキラーラビットの角に深く刺さっていた。

俺は駆け寄り、引き抜こうとするキラーラビットにナイフを何度も突き刺した。


ナイフで刺したキラーラビットから魔石が転げ落ちた。

それを掴み見るとキラキラと光っている。


そうだレベルが上がっているかもしれない。

ステータス。


トニー


レベル2


HP20 

MP20


力  3  生命力2

知力 3  防御力1

器用さ2  素早さ3


恩恵

異世界通販


上がっていたことに喜んだが、読めなかった恩恵が読めている。

異世界通販て何なんだ!

その異世界通販を触ると、新たな画面が出てきた。

【魔石を金に換算しますか?】


そうか、左手には魔石を持っている。

どうすればいいのだ。

左下に点滅しているヶ所があったので、そこに魔石を近づける吸い込まれてしまった。

【1万円になります。初回特典として10万円のプレゼントを差し上げます】


分からないことだらけで迷ってしまう。

画面をよく見ていると、下に小さく説明が書かれていた。

(商品は検索で探して下さい。商品をお金で買うことができます。買った商品は倉庫のボックスに保管されて、いつでも出したり戻したりできます)


成る程、何となく分かった気がする。

もうー匹のキラーラビットから魔石を取り出し、2匹は近くの木に吊るし血抜きする。

そして点滅に魔石を入れると金額が12万円になっている。


今はこのキラーラビットを持ち帰りたい。

1匹4キロで8キロを持って帰るには、疲れて時間も掛かってしまう。

検索を触ると【運ぶ】と文字がでた。

俺も心が読めるのか?

すると更に【運ぶ 台車】の文字が追加されて手を離してしまう。

画面には見たままの絵が沢山出ている。

良さそうな品を触ると画面が大きくなり、説明も詳しく書かれている。

【アウトドアワゴン 折り畳み 収束式】値段は11999円で買うことが出来る。

右に【今すぐ買う】があったので触ると【注文を確定する】とでたので触る。


ゴトンと音がした。

右下のボックスが点滅。触ると俺の足元に箱があった。


「偉く厳重に包んでいるな、この透明な布は何なのだ」


これを外して引張れば良いのか?

おお!こうなる仕掛けだったのか?

この箱や紙くずはどうすればいい、取り合えずボックスの方へすると一瞬で消えてしまう。


キラーラビットをアウトドアワゴンに入れて帰ろう。

おお!案外軽く運べるぞ、この商品を選んで良かった。



肉屋のサンクスおじさんの所へやってきた。裏口から声を掛けた。


「サンクスおじさん、居ますか?」


「なんだトニーか、それは何だ」


「キラーラビット2匹です」


「それじゃない、運んでいる台の方だ」


「この台ですか?結構いいでしょ、軽く運べますよ」


「どれどれ俺にも触らせよ・・・なんだこの軽さは、これを買うぞいくらで売る」


「・・・・くず魔石もくれるなら1000ギーでいいですよ」


「キラーラビットは100ギーだ。1100ギーとこの袋に魔石が入っているぞ」


「ありがとうがざいます。明日キラーラビットを売りに来てもいいですか?」


「ああ、いいぞ新鮮な物なら何匹でも買うぞ。頑張れよトニー」



宿屋に帰ると、マリーおばさんが掃除をしていた。


「マリーさん個室部屋、空いてますか?」


「空いているよ、個室に泊まるのかい」


「お願いします」


「10ギーだよ。もちろん前金で」


10ギーをテーブルに置く。


「これが鍵だよ。部屋は201だね」


鍵を受取ると2階へ上がり、201の部屋で鍵を使って開けるとすぐに閉めた。

早速異世界通販を開き、魔石を入れてゆく。


32個の魔石が消え、428001円の金額が表示されている。

買ってきた固いパンをかじりながら、ナイフを検索。

凄いナイフが沢山売られていて、俺は驚いてしまう。

俺が選んだのはこれだ。

【アウトドアナイフ レザー製シース付き 8Cr13MOVステンレス鋼ブレード】で値段は4680円。

ブレードの長さ13.5センチメートルで重さ350グラム。

中々軽くて使いやすい。


俺はそのナイフのツヤに顔を映して、ニヤリと笑ってしまう。



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