第448話 ディストピアに舞い戻る
会談が終わった。決まったことをしっかりと、処理していかないとな。メギドの街を中心に二十キロメートルと、東にある森をダンマスのスキルで掌握していく。街の周囲二十キロメートルには、本当に人がいないんだな。この街呪われてるんじゃねえか? それも今日で終わりさ!
一気に作ると、さすがにどうやって作った? って話になるから、壁を作る場所まで行って、ちまちまやるしかないかな? 明日から出向いて作りますか? 半径約十五キロメートルだから、壁の総距離は九十キロメートルちょっとというところだな。
あの人たちが帰路についてから作り出そうか。ごまかすために帰る時に同行して、十五キロメートル付近で分かれて、そこから壁を作れば完璧だな!
いつ帰るんだろうな? と思っていたら、
「シュウ様、特使は一週間ほど滞在して、調査をしてから一度帝都に戻り、人員を連れてくるそうです」
「一週間か、それまで何してようかな?」
「この後はシュウ様が話し合いに参加をしなくても問題ないので、いったんディストピアに戻られても問題ないですよ?」
「あ、そうなの? 片道六時間くらいだから、面会が入るなら次の日には来れるから問題ないか? よし、帰ろう! ピーチ、準備するぞ!」
俺の宣言を聞いて、ピーチが他の妻たちに指示を出している。
「ご主人様、帰るのは夜でもいいですか? 客室にベッドを入れれば、寝れますよね?」
「寝れるけど、それまで何するんだ?」
「この街に来た目的の一つを、お忘れではないですか? スカルズのメンバーと会って、レッドドラゴンの討伐の話をするのでは?」
「そういえばそうだったな。スカルズは戻ってきてるんだっけ?」
「戻ってきてますよ。暇だったみたいで、街を巡回してます」
「呼んでもらっていいかな? そしたらレッドドラゴンの話をしようか」
一時間ほどすると、スカルズのメンバーが集まったようで、俺の部屋に入ってきた。
「お呼びと聞きましたが、何でしょうか?」
「ダンジョンにレッドドラゴンがいた話は、聞いているよな? それで、継続的にドラゴンの素材がゲットできないかと思って、君たちに討伐を頼めないかと思ってね」
「レッドドラゴンですか? さすがにこの装備でも難しいです」
「話は最後まで聞いてくれ。最近も一緒に行動していた、三人の元シングル冒険者のパーティーにも、打診している最中なんだ。それだけじゃなく、ドラゴンキラーの効果の付いた武器を三つ用意したから、それを使って定期的に討伐をしてもらえないかと思ってるんだよ。
もちろん、レッドドラゴンからとれた素材は、みんなに優先的に流して装備を強化する予定なんだけど、どうかな? 初回は、俺たちも立ち会って、危険がないように配慮するよ?」
「ある程度安全が保障されてるのであれば、一度は戦ってみたいですね。みんなはどう?」
「それだけの好条件なら、戦ってみたい!」
「「私も!」」
と、全員が今回の話を受け入れてくれた。
ドワーフの爺共の仕事ができたな。レッドドラゴンの鱗を加工してもらわないと。
「装備を調整しないといけないから、一緒にディストピアに戻ってもらっていいかな? まだ悩んでる獣人三人娘たちも一緒に連れて帰ろうか。帰り道に話すもいいし、帰りの時間は夜の寝る時間位に出発して寝ている間にディストピアに着く予定だから、ディストピアで話をしてもいいよ」
「「「「????」」」」
スカルズの四人そろって、頭にハテナを浮かべている。
「わからないのもわかるけど、ご飯食べたらいつでも出発できるようにしておいて。誰かを呼びに出すから、そうしたらどういう事か分かるから大丈夫」
訳が分からないが、分かったと言って部屋を後にしていった。
「さて、これでメギドですることは終わったかな?」
「そうですね。ただ今から始めておいた方が良い事はありますけど」
「ん? なんかあったっけ?」
「エレベーターでしたか? あれはメギドの街だけのものではないですよね? ディストピア側にもないと、と思うのですがどうですか?」
「あーそれもそうか。今のうちに側やモーターだけでも、作っておいた方が良いか。サンキューピーチ!」
ピーチに促されてエレベーターを作り始める。DPでドンドンパーツを召喚していき組み立てていく。エレベーターの箱は、収納の腕輪には入らないので、収納のカバンに収めないといけないのだ。
ディストピアのエレベーターはメギドと違い、八個の角の頂点付近にモーターをつけて、上下に張ったワイヤーを絡ませ、モーターの連動で上り下りする仕組みにした。普通のエレベーターと同じでガイドレールはあるので、壊れた時のストッパーも付けている。
ディストピアのホームはメギドより深い位置にあるので、メギドの魔石より一ランク上の物を使って、魔力量を増やし出力そのものを上げている。エレベーターの機能を統括する魔核も作成して一息つく。
ワイヤーはDPで地球の物を召喚して、それにクリエイトゴーレムを使って、それに魔核をつけて修復機能と耐久力の向上を付与している。
エレベーターの箱とその周辺のパーツをすべて作り終えたのは、作業を開始してから三十分ちょっとだった。元の世界程精密なものではないが、元の世界より高性能なものが、この短時間でできてしまったのだ。俺って天才かも?
って何となく一度は言ってみたいよね?
今度こそすることが無くなったので、夕食まで本でも読んで時間でも潰すかな? そういえばゲームを最近あまりしてない気がする。新作が出てないか探してみようかな。
「あれ? こんなの出てたんだ。古いゲームのリメイクか……これ始めたら、時間がいくらあっても足りないか? 見たからにはやりたくなるな。あ、こっちはタブレットで出来るタイプのゲームなのか、そういうものもあるんだな」
ファイ〇ルファン〇ジーの三作目だ。この作品だけリメイクがなくて、悔しい思いをしていた覚えがあるんだよな。なんやかんや言って、この後の作品にも大いに影響していると思う、名作だからな楽しみだ!
タブレットでニヤニヤしながらゲームを進めていると、突然部屋のドアがノックされた。ドキッとしたよ! ドキッと!
「ご主人様、夕食の時間です」
もうそんなに時間が経っていたのか。時計を見ると二時間三十分ほど経っていた。夕食を食べて風呂に入って寝る準備を整えてから、スカルズのみんなと、ケモ耳三人娘も呼んでホームへ降りていく。
地下の様子を見た時に目を丸くしていたので、簡潔に話して乗り込むように指示する。これで朝起きたらもうディストピアだ! 寝台列車……本当に寝るだけの、地下鉄寝台列車だ。
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