第295話 処分の結果

 後始末その他、国王以外に問題になる人物で処刑できない者について聞いた。


 まずは三人の王子たちだ。


 ニ十四歳の王子は、貴族街で妻たちが暴れていたあたりで、城の中で騎士団とは別でロイヤルガードを集めていたそうだ。


 ちなみにこのロイヤルガードは、騎士団の中で親が貴族のメンバーの中で、強い順に五十人を選んでいる。そのため騎士団長や副団長の足元にも及ばない実力である。いわゆる名誉職的な扱いなのに、自分たちは強いと錯覚している馬鹿共の集まりだ。


 騎士団が突破されて城へ入るための門に差し掛かると、ニ十四歳の王子を中心にロイヤルガードが道を塞いでいたのだ。


 そして俺の妻を見て実力もあり見た目がいい娘なので王子が「俺たちの情婦になるなら許してやる」と言い放ったそうだ。


 王国で一番強い騎士団長が倒されているのにここまで言えるんだから反対にすげえと思っていたが、ロイヤルガードが集まれば騎士団長などみそっかすだと思ってたあほだったようだ。


 まぁそこでピーチが「もう結婚していますので嫌です。いや違いますね、結婚してなくても貴方たちはお断りです」と素直に言ってしまったため、多くの人間が情けない死を迎えた。


 ピーチの返しに王子が「これだけ慈悲をあげているのに聞けないのならしょうがない。お前のくだらん男の手足を切り飛ばしてその男の前でお前たちを犯してやろう」といったため、次の瞬間に王子含めロイヤルガード全員が壁に頭がめりこんだ状態になったそうだ。


 壁から頭が抜けなくて不運にも五十一人中三十九人が窒息死してしまったらしい。


 死因が『壁に頭が突き刺さり呼吸できずに窒息死』って笑えねえ。その原因になったのが俺の妻を犯すとか言った糞王子なので、俺もボコボコにしようして王子を呼び出したら、性別が変わって……王女? になっていたのにはびっくりした。


 闇魔法で感覚を数倍に引き上げたうえで息子を潰して治してを繰り返され、その上に精神を魔法で無理やり正常に戻し発狂することも許されない状況が、半日ほど続いた時に突然治らなくなったそうだ。


 回復魔法をかけたら綺麗にとれてしまい、どういう体の神秘か性別が女になってしまったらしい。性同一性障害の人たちとは違い、違和感しかないおかま? といえばいいのだろうか? とにかく反応に困る状態になっていたのだ。


 壁に突き刺さってる人間を放置して国王を探している時に、ニ十歳の王子に年少組が見つかり上の王子と同じ事を言い放ったそうだ。反射的にシェリルとネルが殴り飛ばしてイリアが爆裂魔法を唱えてしまい、城の3割ぐらいが崩壊してしまったそうだ。


 この城の惨状はイリアがしちゃったんだな。ってこんな城更地になっても気にする必要ないか。それよりもシェリルとネルに殴られて、イリアの魔法をくらって死ななかった王子の方が驚きだな。後で称号を覗いてサブイボがたったのはここだけの秘密だ。


 ちなみに称号欄に『変態紳士、真性のマゾヒスト、死を超越した快楽を得た者』が乗っていたのだ。最後の称号って多分死ぬほどの痛みが死を超越して死ななかったってことだと思うんだ。おそらく幼女たちの攻撃の事だろう。


 最後の王子は懸命にも勝てない相手であり、逆らってはいけない存在を理解していたので話は早かった。国王を探している時にシュリが発見して、首を前から鷲掴みにして持ち上げたらすぐに降参して国王を売ったそうだ。


 普通そんなことをやればニ度と立ち直れないほどの汚名をきる事になるが、今回に関してはそれが大正解であり迅速な対応をしたため、妻たちからは唯一嫌悪されていない王族だった。


 次に、嫁いだ王女ニ人だが、貴族街で妻たちが暴れている最中に、夫が巻き込まれて死んでしまったため暴れに暴れたそうだが、あまりに鬱陶しく思ったシェリルがニ人の目の前で全力で地面を殴って黙らせたらしい。


 基本俺や仲間以外の事で切れる事はあまりない妻たちで、温厚な部類に入るシャリルがそんなことをしたのだからよっぽどだったんだろう。夫が死んでしまったのはお悔やみ申し上げるが、元をたどればお前たちが悪いのだから自業自得だろう。


 次に重鎮たちだが、こいつらの処分は速攻で終わったそうだ。簡単に言えば王国側から見れば裏切った第三王子が洗いざらい話して、確認のために奴隷の首輪をつけて質問したらものの見事に、冤罪なく全員が判明したのだ。


 一〇〇人近い人間の名前と関与した度合いを、正確に話した第三王子は正直ひくくらいの記憶力だと俺は感じだ。一番上が武勇に優れていても(作中では一蹴されているが)勝てないと理解していたため、文官系の力を伸ばして独自の記憶方法を確立してたため、ああいった曲芸まがいの事が出来たそうだ。


 で、あぶりだされた重鎮たちは、関与した度合いで処刑、股間クラッシュ、石畳に正座、木に張り付けに分けられたそうだ。後半ニつが軽い気がしたが実際やっていることを聞いたら、両手を合わせてしまうくらい厳しい物だった。


 木に張り付けは、呼んで文字のごとく本当に張り付けられたまま五日間そこにいたそうだ。もちろんトイレにも行けずに垂れ流し、死なないようにメイドや執事たちに定期的に水と塩を与えさせていたらしい。


 ここまで話せば正座の方もなんとなくどういう状況かわかるだろう。正座のまま動くことが許されずに糞尿は垂れ流しで、寝てしまえば体が倒れてしまうため、監視のメイドと執事に蹴り起こされるという事を繰り返していたそうだ。


 俺が行った時はあまりの悪臭だったため、水魔法で洗い流した後だったようだ。


 処刑された重鎮たちの後釜は、そこそこ優秀そうな人間を無理やりユニークスキルで隷属化させて内部から監視させることにしたのだ。


 これで何か問題があればすぐに連絡が入るし、相当数の数の隷属させた人間を配置しているのでそういった問題すら起きにくい状況になっているので、今までみたいな面倒な事が減るだろう。


 って、あれ? 隷属魔法は、俺だけしか覚えていなかったはずなのに……誰が? ツィード君が隠れて覚えていたらしく、闇魔法と合わせて隷属魔法で全員を支配下においたらしい。


 これで今回の騒動の元凶も取り除いたし、処分も終わっていたので今回の件はひと段落したといっていいだろう。問題は王都と関係ないディストピアに近い街にいる貴族たちの動き位だろう。どうするかね?


 あと、今回の迷惑料として当初の通りお金をいただいてギリギリやれるくらいだけ残しておいた。ついでに王都の地下にあるダンジョンは、俺たち以外入れなくしておいた。イリアの魔法のせいという事で、埋めて掌握してダンジョンの入口をダンジョン化してある。言ってて意味わからんけど、そのままなんだよな。

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