第256話 コアを掌握して得られたもの
「大中小のミノタウロスに見とれて、肝心な事に今気付いた」
「どういうことですか?」
「この階の部屋めっちゃ広くない?」
「ご主人様のおつくりになっているダンジョンにも、こういった広い空間がありますけど、何か変なんですか?」
「あぁ、俺のダンジョンにも同じ空間があるから疑問に思わないわけか。こういった広い空間では基本的に、意図して大量の魔物を作ってモンスターハウスと呼ばれる冒険者殺しのフロア、階層とでもいうべきかな? ゲームで、モンスターハウスだってフレーズ聞いたことないかな?」
俺がこの質問をすると、はっとした表情を据える数名いた。よかったあのシリーズやってくれている娘たちがいて、分かっているらしい娘たちからどんなものか聞いて何得した様子がみられる。
「後もう一つ、俺が他に考えたのは、こういった場面のこの空間が、ダンジョンの最下層でいわゆるラスボス戦ってところかな。クリアをさせたくないダンマスが、魔物の物量で冒険者を屠るシステムってところかな」
「そういう事でしたか。さすがにこの数のミノタウロスの相手は鬼人たちには、難しいと思いますので私たちも戦闘に参加してもよろしいですか?」
「そうだねリュウ、俺たちも戦闘に参加するけど問題ないかな?」
「もちろんです。さすがにこの数を相手にするのは厳しいですので、こちらからお願いしたいところでした」
「という事で俺たちも参加するよ! 命令は一つだけ、絶対に死ぬなよ!」
見える範囲におそらく二〇〇匹以上のミノタウロスがいる。さらに向こう側からも数多くのミノタウロスが来ているのだろう。俺も久々に頑張りますかな!
ゴロゴロドカーン!!!
耳がおかしくなるかと思うくらいの大きな音がした。周りを見ると、ライム・レミー・ジュリエットの三人が耳を抑えながらやっちまった! みたいな表情をしてテヘペロしていた。可愛いんだけど、どういう状況か説明してくれ! 耳が聞こえないけどな!
だってさ目の前にいたミノタウロスがその三人を扇の中心として、範囲内のミノタウロスが焼けこげたり上半身がなくなってたり、ぴくぴく痙攣してたりするんだよ? どういう状況ですか!
しかも、ダンジョンの魔物はコアを守るために普通はおびえたりしないのだが、魔物も生物である以上一〇〇パーセント強制はできないのであろう。ダンジョンの壁まで全力で走って逃げていきましたとも。まるで王者の行進のごとくコアまでの道を開けてくれた。
そういえば、うちの従魔たちにも怖いものがあるっぽいね。基本的にシルキーたちには絶対服従のようだよ。俺の危険がない限りは、あっちを優先するほどに頭が上がらないらしい。
なにせ胃袋捕まれてしまっているからな。いたずらして飯抜きと言われた時の表情、人間じゃないのに明らかに落胆した表情見せるんだからすごいよな。
他にもピーチも怖いらしい。理由は簡単で怒ると怖いからだ。前に俺の部屋で寝てた時に寝返りをうって、俺にのしかかって寝てたのを見られた時に、後でどこかに連れていかれこってりとしぼられたようで、疲れた顔をして戻ってきて頭を下げたのだ。
俺としては、のしかかられたくらいじゃ気にならない程度には、ステータス高いから気にしてないのにな。
多分一番怖いというか恐ろしいのは、おそらくシェリル・イリア・ネルに嫌いと言われることだろう。以前三人にかまってほしくていたずらをしていた時に、いたずらする子は嫌いって言われた時の顔、この世の終わりみたいな顔だったよ。
その後に反省したなら許してあげるって、わしゃわしゃされてた時の顔ときたらだらしなさときたら凄かったさ。
まぁ後で三人には説教だな。閉鎖空間での大音量の攻撃は味方にも被害が出るからな。俺だってスタングレネードを使うときに閉鎖空間を作ってしかも音遮断までして使ったからな。
そもそもなんの魔法を使ったらあんなふうになるんだ? この三人も例外なくアニメや漫画に小説にはまってるからな、どこかから仕入れた情報をもとに魔法を構築した可能性もあるよな。
何はともあれ、ダンジョンコアのある部屋に到着した。さくっと掌握してしまうかな。掌握すると前回と同じように色々な情報が入ってくる。色々といっても召喚できる魔物が新しく増えたり、俺の知らないものが召喚リストに追加される感じだ。
情報が流れ込んでくるこの感じあまり好きじゃないな。でもいい情報が手に入った。やっぱり敵性ダンジョンを掌握するごとに、ダンマスとしての格が上がるのは間違いないようだ。
このダンジョンを掌握して召喚できることになったのは、ゴブリンとオークのジェネラル・ジェネラルなんちゃら・オークゴブリンにジェネラル・ミノタウロスがそれぞれ召喚できるようになった。正直オークゴブリンはいらない。
だけど頭のいい上位種やジェネラルは、村の実験に役立ちそうで頼もしい限りである。農業とか生産系のスキルも覚えさせれるかな? 宝珠はあるけどこいつら雑食だから、理解してもらえるだろうか? って、本当に雑食なのだろうか? 普段何食ってんだろうな外のゴブリンやオークって。
今回手に入ったダンマスの能力は、繁殖強化に交配強化。なんだよそれ! もしかしてオークゴブリンって、この交配強化によって生まれた種族なんじゃねえか? 他の種族と掛け合わせるか、なんかブリーダーみたいな感じでやだな。
魔物とはいえニコやハクにクロやギンを見ているとなんかね、生命を軽んじてる気がするんだよな。
ブリーダーって職業を否定するわけじゃないけど、悪質な業者もあるって聞くから嫌なんだよね。それで飼いきれなくなったり、子どもを産めなくなったりしたら処分するとか、テレビでそういうニュースみるとね。
買う方も待つから自然に交配した子たちを、買うって流れになってほしいものだ。血筋がどうのとかあるようだけど、フィーリングで決めてもいいと思うんだ、この親の子ならほしいみたいな感じでさ、難しいだろうな。
なにはともあれダンジョンを一つ攻略できたな。ここは聖国のレベル上げにつかわれてるから、本来いない魔物を配置して数を減らしてもらうか。
ここに入ってたやつらは、ダンジョン内で全員死んだことになるだろうからちょうどいいかもしれんな。シャドーウルフあたりを陰からけしかけるか? そこらへんは後で考えよう、掌握しているダンジョン内なら設定を変える事もできるし、遠隔で魔物を追加すればいいよね。
とりあえず、今日の所はお家に帰りますか! 地上から各中継点の近くを通るように配置する、って初めからこうやってれば移送も楽だったんじゃね? やっちまったな!
ダンジョン内に人がいると改築はできないが、ダンジョンの外に通路を作ってそこまでぶち抜けば自然に穴が塞がるまでの時間は自由に通れるんだよね。穴をあけたときに、ダンマスのスキル繋げてしまえば自然とダンジョンの一部になったりするんだよな。
何事にも抜け道があるって素晴らしい! みんなを回収してディストピアにつながっている通路を、馬車で走り抜けていく。ディストピアに戻ってからきちんと通路は塞いだけどね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます