第226話 やっちまった
防壁強化を行って三ヶ月の間ディストピアでは色々変わった。声を大にして言いたいことは、仕事のできる人間がいるって素晴らしい! 俺がたいした仕事ができなくてもある程度の丸投げで、色々進めてくれるんだもんね!
まぁ俺という絶対的強者? 金持ち? 土木作業能力? がいるから空中分解せずに済んでいるんだけどね。そもそも俺が無能で金もなければ、ディストピアなんて作れなかったんだからな。
まず大きく変わったのは、海水の湖の島が大きくなった。魚人の街が大きくなったのだ。海に勧誘に出ていた者たちが四〇〇人程連れて帰ってきて、ディストピアの住人になったのだ。
増えた住人は先輩住人たちにならって、戦闘できる人材は海底ダンジョンへ、女性や子供は和紙生産ダンジョンへ入り弟子入りして修行しているようだ。まだ時間もたってねえのに弟子をとるとはな。この世界のスキルって異常だよな。
数年数十年の修行が必要になる物を、スキルをゲットしてダンジョンで修行すれば、半年もしないで一人前になるんだからな。
他にも審査が終わって移住を許可された人たちがそれなりの数移り住んできた。初めは獣人なんか! みたいな話も聞こえていたがすぐにきかなくなった。
続けて声をあげている人間は、手をあげて奴隷に落とされるか追い出されるかして処理されていた。相変わらず奴隷も審査しながら買って、住人として受け入れたりもして住人を増やしている。
することの少なかった俺は、ふとした疑問をいだいた。『エルフってどこにいるんだ?』というものだった。よく考えたらこの世界に来てイリア以外のエルフって、ハーフでも見たことないんじゃないかな? もしかしたら街中や奴隷商で見てたかもしれないが覚えがないな。
ではエルフってどこにいるんだろうって思ったのだ。イリアには聞く事はできなかったので、長く生きているドワーフたちに聞いてみた。リンドも老ドワーフたちも数えるくらいしかあった事が無いとの話だ。
ただ会った事があるといっても、はぐれと呼ばれる里から出た好奇心旺盛なエルフで、里にたどり着いた事のある人は話でも聞いたことがないそうだ。
話を聞けば聞くほど誰かによって隠されているんじゃないかと思うほどに情報が無かった。多分チビ神に聞けば集落の有無は確認できるだろうが、さすがに集落のある場所までは教えてもらえることはないだろう。
という事は今考えてもわからないという結論に達するわけで、頭を切り替えて違う事を考えることにした。
そういえば俺の知っているかぎりでは植物性の油というものは少ない。希少価値が高いというよりはその用途が基本的に滑りをよくするもの。グリスみたいな使われ方をする事が多いらしい。ただ食事の調理にはラードや動物、魔物の脂身を熱してから調理するといった形みたいだ。
他の街ではわからないが、油で揚げるという調理法も見ることはない。ディストピア関係、主に俺の関係者やヴローツマインの食堂でしか揚げ物はないのだ。簡単な話調理法を知らないという事もあるが、わざわざ油を絞るために植物を育てる位なら収穫量の多い物を育てるという考えになってしまうからだ。
ディストピアでは植物ダンジョンから油を搾れる実もドロップや採取できるので広めたいと考えているのだ。パン粉に関しては、赤ちゃんのいるご婦人方に職としてパン屋をしてもらっている。面倒を見ながらでも仕事ができるという事で、多くのご婦人方が働いてくれているのだ。
もちろん指導役はシルキーたちにしごかれたブラウニーなので、味は折り紙付きだ。冒険者用にサンドイッチや菓子パンを作っているので経営は安定しているというより上をむいている。
俺は一応三都市のトップになったので、統括しているディストピアの庁舎に行けば、目を通してほしいと言われ書類の束を渡されることが多い。もちろん全部和紙です。
大体は収支報告や犯罪報告などであるが、たまに他の街の領主からの要請だったり、従う必要のないアホ貴族の命令書という名の迷惑な手紙が届いたりして俺に回ってくるのだ。アホ貴族に関しては返信をする必要がないと言われているので放置していますという事後報告なんだけどね。
俺の土地や権利を食い漁ろうとする貴族は、ブラックリストに入れられ街の中に入れなくする、といった対策がとられているみたいだ。ただお互いの利益になる商売に近い話をしてくる貴族に関しては、友好的に接しているのでさすができる部下って素晴らしい!
地下通路が通ってから書類の量が増えたがそれでも一週間に一度三時間程、顔を出せば特に問題が無かったりするので楽ちんなのである。
細かい報告は毎日レイリーに入っており必要なものを俺に伝えてくれる形になっている。中には急を要することもあり俺に連絡が入って対応することもあるが、通信魔道具のおかげで特に問題はなかった。
俺は基本的に何もしていないが安定してきた自分の街をマップ先生で見て、リアルシム〇ティや〇列車で行こうをやっているようで楽しかった。街が安定するまでって意外にめんどくさいんだよな。あの類のゲームってさ。でも、魔法とダンマスのスキルのある俺に負けはないのだ!
こういうのもチートというのだろうか? ってかDPさえあれば何でも作れるからチートだよな。そのうち王国や聖国の王都の近くに、殺人ダンジョンでも作って王国の戦力を削いでやるか。
街も安定してきたので祭りを開催することにしたのだ。人数的に考えて街の方ではなく砦の方でヴローツマインの人も商人たちも参加できるようにした。まぁお祭りといっても屋台やディストピアで扱っている商品の安売りや、射的やビンゴやクジで非売品の物を少し放出。
まぁ老ドワーフたちが作った武器防具も景品として出されたので、かなりグレッグやミューズの冒険者たちが喜んでいたのが印象的だった。
まぁ雰囲気は夏祭り的な感じで楽しかった。商人も冒険者もいっぱいお金を落としていってくれたのでウハウハだ。そういえば、ディストピアの住人もお金を使ってもらわないと貯まっていく一方なので、住人には砦への移動制限はかけていないので自分たちでほしい物を購入してもらっている。
祭りといっても派手なものではなかったので簡単な準備で終わり後片付けも大して時間はかからなかった。娯楽の少ない世界ではお祭りも特大イベントみたいになるらしくそれなりの賑わいを見せていた。住人が増えたら街の中心でこういったお祭りができたらいいなとみんなで話をしていた。
今日は珍しくシルキーたちではなく、娘たちが夕食後のデザートを準備してくれていたのだ。ブランデーの入ったパウンドケーキで、ほのかに甘く苦いとっても美味しい物だった。
いつものように食事も終わりお風呂に入っていると急に眠気を感じたので、部屋に戻って休むことにした。あれ? 部屋に年長組の娘たちがいる? あぁお風呂上がりの飲み物を持ってきてくれたのか、
「みんな、飲み物ありがと。今日はもう大丈夫だよ」
「いえご主人様、今日は夜のご奉仕もさせていただきます。体を楽にしてください。私たちに任せていただければ問題ないですので」
あるれぇ? この娘たち何言ってるんだ? 頭がさえてきたのに体の動きが悪い。そして娘たちの姿が、ネグリジェ? 扇状的な姿だったことに今更気付く。普段から考えないようにしていたのだが、体が勝手に反応してしまっている。落ち着くのだ俺の息子よ!
「ご主人様、私たちは全員あなたの物になりたいのです……私たちの事は嫌いですか?」
「い、いや。みんな可愛いし好きだよ、じゃなきゃ俺の息子が……って何を言ってるんだ俺は!!!」
「そろそろ生殺しの放置プレイはやめてほしいです。なのでカエデさんやシルクちゃん、ツィード君に相談して解決する方法を考えたのです。光の精霊ってすごいですね。ご主人様は呪いや状態異常が効かないので苦労しました。
解決方法は祝福による抑圧している感情の発散でした。ご主人様が隠れて処理しているのは気付いていましたので、私たちが処理してあげますので、体を楽にしてください。あ、カエデさん準備できましたよ」
ピーチがカエデを呼ぶと部屋の中に入ってきた。お前! ほとんど裸じゃねえか! ぽっちとか丸見えだぞ! それに合わせて俺の息子も……抵抗などできない。みんないつもはおしとやかなのに肉食系に変わっていた。
とりあえず感想を言うと、気持ちよかったです。なんていうかこの世の極楽とでもいうのでしょうか? 一度いたしてしまったら俺も理性を保つ事はできなくなり、それが分かったカエデにチクられ体の動きを阻害する祝福を解除され。朝までノンストップでした。
えっと、朝はベッドと体がすごい事になっていたので、そのままみんなでお風呂に入り。お風呂場で裸を見てしまいまたいたしてしまった。
娘たちの感情は助けてもらった俺への感謝の気持ちだと思っていたのに、本当はこういう感情だったんだな。カエデは感情を隠さずに大っぴらにしていたが、最近なかったので油断していたよ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます