第156話 ロリ神再び

 地下を通ってヴローツマインの近くまで来たのだ、何かあるわけもなく城門に到着した。うん、何というか要塞っぽいな。マップ先生で把握してたけどこんなにデカい城壁を作るとは、それにこの街のサイズかなりデカい。フレデリクの四倍くらいの面積がある気がするんだよな。


 何でこんなにデカいんだろうと思ったが、街の二割が酒蔵だった。これってドワーフのせいだろう。他にも工房兼住宅や倉庫兼住宅が三割ほど占めていて、三割が飲み屋兼宿、残り二割が住宅となっている。


 なので住民の数は、約八万人程、その住人の半分程がドワーフだ。


 この世界のドワーフは、エルフと一緒で寿命が一〇〇〇年以上との事。記録上一番長く生きたのは一九八三歳だ。エルフと違い寿命という概念があるのは、物作りに命をかけている者が多く生涯現役で鍛冶や大工をしているそうだ。


 体型は、男女ともに身長は低めで筋肉の厚い体をしている。だが長年血が色々混じったためか、突然変異とはいいがたいが、少女体型と見た目のまま育つロリババアがいたり、少年の体型と見た目のまま育つショタジジイがそれなりにいるらしい。


 極稀に身長の高い筋肉だるまの様な体型のドワーフも生まれるとか、ロリババアは合法ロリってことで気になる所ではあるが、ショタジジイは今まで小説などでも聞いたことがなかったので斬新すぎた。見た目が少年少女とはいえドワーフである、その見た目から要人警護の職に就くものも少なくないらしい。


 そういえばこの街、ライチェル王国の王都より平均レベルが圧倒的に高い。ドワーフのほとんどが二〇〇歳以上であるため、それに見合ったレベルになっているのだ。兵士たちの平均レベルは、一〇〇に近い。一番レベルの高いのが六〇〇付近だった、高すぎねえか?


 何かレベルのインフレ起こしてるよな。各国の首都やこの街って、おそらく自分たちだけで使えるダンジョンがあるから、レベルあげ放題ってところだろうな。でもさ、チビ神が俺の命を脅かせる人間はそう多くないって言ってなかったか? この街にゴロゴロいるんだが?


 そもそもチビ神の言うダンマスって、いかにも魔王的なあれだったよな? そういえば人間って精霊種は含まないんだっけ? 人間には多くないって、そういう意味か! 魔物や精霊にはゴロゴロいてもおかしくないって事か? くそチビ神め!


 こんなところでうまい具合に言葉を使いやがって、普段はタダの馬鹿なのに……


『ちょっと! あんた! 私が馬鹿ってどういう事よ! それにチビじゃないって言ってるでしょ!』


 また来やがったか。今回は結構期間空いたけど、ちょくちょく勝手に干渉してきやがって。それにチビじゃないっていうなら証拠見せろや! 幼女体型のツルペタのくせに!


『うぐっ……それよりあなた、まともにダンジョン作ったと思えば、何であなた達しか存在を知らないような場所にダンジョンに作ってるのよ! 召喚してあげた私の身にもなりなさいよ! 王国の街に攻め入ったのは娯楽としては結構よかったけど、あなたがきちんと仕事しないとまわりのやつらに笑われるのよ!』


 勝手に召喚した上に、元の世界で俺に関する記憶も消して、帰る選択肢も無くしやがったくせに! 一応お前の希望通りダンジョンは作ってやっただろ、しかも三種類も!


 それに前にも言ったが、お前が馬鹿にされようと笑われようと、ペチャパイだと言われようと俺には関係ない!きちんとつくらせたければそういう風になる様に仕向けるか、ルールを作れ。俺はお前たちに従わなきゃいけないわけじゃないしな。


『ちょっとさりげなく、ペチャパイってディスってるんじゃないわよ! 三種類作っても人がこなければ意味がないでしょ! その世界に行った後は私たちだってこういう風に声を届けるくらいしかできないんだからね』


 人聞きの悪いこと言うな! ペチャパイはディスってるわけじゃない、俺からすればただの巨乳よりよほど誉め言葉だ! 形が大切なんだよ! 垂れる巨乳ならまな板の方がよほど価値が高いんだよ!


 でも見た目が幼女は、愛でるもんだな『YESロリータ、Noタッチ』の精神が大切だな。合法ロリのドワーフも手を出したら、犯罪臭いが愛でる分には何の問題もない!


 そだ、そのうちダンジョンに人呼び込むから安心しろ! 食料や素材の採取場所として住民に開放するから。


『だから! あんたの性癖なんて聞いてないわよ! ダンジョンを素材や食料集めの採取場所にしないでよ! ダンジョンっていうのはね、中に入ってくる人間とダンジョンマスターとの知恵比べなのよ! それを採取場所にするなんて馬鹿げてるわ! それにしてもあなたと話してると調子が狂うわね……』


 知恵比べって、俺がガチで作ったらおそらく誰もクリアできねえぞ? 攻略が難しいダンジョンの突破するところを見たいとか、無様に罠にかかってるやつを見たいとか、そういうエンターテイメント的な何かを求めてるんだろ? 俺にはとりあえず作る気はない! そのうち国落としはするから楽しみにしとけ。


『真剣に作ったらクリアできない? それはそれで面白いから作りなさいよ。クリアできないダンジョンとか自慢できるから作りなさい! 娯楽を含んだ見世物だから楽しませてくれればなんでもいいんだけど、国落としという言葉にはひかれるものがあるわね。そこは楽しみにしておいてあげるわ』


 俺のDP知ってるだろ? 本気で作れば、一〇〇キロメートル四方の地下二〇〇階のダンジョンだって作れるんだから、クリアできるわけないじゃん。ダンジョンの最奥にダンジョンコアがあるわけじゃないしな、実質的にクリア不可能だろ。


 まぁ、これから街をデカくするためにドワーフを引き抜きに行くからもう邪魔すんな!


『邪魔とか言うんじゃないわよ! しっかりダンジョンマスターの勤めも果たさないくせに! それにしてもあなたの発想は悪魔的ね。広くて深いダンジョン持久戦で攻めこめなくするとかただの卑怯者だよ! まぁいいわ、これ以上話してると疲れるからね!』


 ようやく行ったかロリ神め、お前の頭はともかく、足やお尻のラインは認めてるんだからもうちょっと大人しくしといてくれ。


 ロリ神と言いあっているうちに城門の中に入っていた。


「ご主人様、どこへ向かいましょうか?」


「そだな、やっぱり商人ギルドかな。まずは拠点を手に入れよう。お金は気にするつもりはないから、みんなの使いやすい家を選んでほしい。内装はスキルで作り替えるから、立地条件や家のサイズとかが決め手になると思うけどよろしく頼む」


「ご主人様はお決めにならないのですか?」


「俺はお前たちがいればいいから、みんなで決めてくれ」


 娘たちが揃って頬を染めもじもじしている。ちょっと言い過ぎたかな?でも、可愛いからいっか。


 いち早く復帰した、ネルちゃんが近くのおばちゃんにギルドの場所を聞いて戻ってきた。頭を撫でてあげるとまぶしい笑顔で抱き着いてきた。うむ、可愛いな。俺はロリコンじゃないからな!

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