第124話 開拓
魔物から夜間の襲撃もあるはずもなく朝を迎えた。早めに終わらせてしまいたいことも多いので、サクサク開拓を進めていきましょう。
まず、従魔達に指示を出しておく。マップ先生の使用許可を出して、指定のエリアに侵入してきたら迎撃に向かうようにしてもらった。マップ先生を見れてもそこまで細かい事をできるかなと思っていたが、ニコがとても賢かったのだ。
みんな賢いのだがニコは自分の一部を触手の様に変えることができ、それでマップ先生を操作することができたのだ。でもさ君ってどこに目があるんだろうね。どうやって認識しているかがとても謎なのである。
「では、整地組にはやってもらいたいことを、実践して教えていきます。簡単なので見なくても分かる事なのでちゃっちゃとやって行こう。フンッ! 根本付近から切り倒して、あっ! そこ、危ないから気を付けて。
で、倒れた木の邪魔な枝を打ち落として、できる限りまっすぐなのと曲がったのを分けてほしい。まっすぐな奴は後で建材に使う予定なので、ダンジョンの中で乾燥させます」
一呼吸おいて、
「可能ならある程度太さ別に分けておいて、保管場所が足りなくなったらノーマンにでも言って拡張してもらって。打ち落とした枝なんかは、薪とかに使おうかと思うので適当にまとめておいて。
最後に葉っぱはダンジョンの森の中にでもまいておいて、腐葉土にでもしよう。色んな手間がかかるけど分かれて作業してね。自分たちが自分たちのために作る場所なんだから、頑張っていこう!」
整地組のみんなは大きな声で「了解しました!」と返事をしてきた。
次は、壁を作らなきゃいけないが、その前に地下に下水の空間を作ろう。ダンジョンにかぶらない様にまず空間を作らないとな。地下に穴をほる際にでた土を利用して壁を作る予定だ。
同時進行していかないと、土を置く場所が無くなってしまうな。移動にはウォーホースに鞍をつければ、すぐにつくだろう。全員に収納のカバンを持たせているが、何往復しなきゃいけないだろうか。
そうそう、収納の腕輪や収納のカバンは、同じものを複数持ったり何かを入れたカバンと入っていないカバンを持ち替えても作動しないのだ。その理由はよくわかっていない、昔からそうだったという事だ。
「じゃあ、壁を作る組だけどまずはフレデリクの街に作ったような、下水の地下を作りに行きます。ただ土を置く場所もそんなにないので、掘って強化したら掘った土を持って外周に行って、壁を作る形にします。
移動はウォーホースに乗ってするつもりだよ。手間はかかるかもしれないけど、みんなで楽しみながらやろう。やり方は街でやったのと同じだから難しく考えなくていいよ」
っとその前に、訓練組の確認しておかないと。
「レイリー、そっちの予定はどうなってる?」
「はい、ご主人様。こちらはまず戦闘訓練から始めようと思っています。最低限、自分を守れるようになってもらおうと思います。つきましては、こちらの四人にも最低限は自衛ができるようになってもらいたいのですが、一緒に訓練させてもよろしいでしょうか?」
「んー農家にもやってもらうし、一応最低限の訓練はしてもらおうか。夜や空いた時間にみんなで街の配置考えていこうかな。突然だけど戦闘訓練に入ってもらっていいかな? 子供たちにはその先まで教えるつもりだよね? 無理しない程度にしてやってくれよ」
話の終わった俺達は、分かれて行動を開始する。
そんなこんなで開拓がはじまった。
という事で開拓が終わった、なんてことはない。
とりあえず俺の主な仕事は、地下の空間のゴーレム化だ。保守に時間をかけるのはめんどくさいので、フレデリクの地下と同じようにゴーレム化して自動修復機能を付与しておく。それ以外は今のところ娘たちに任せておくとして、東側の海水をひいてくるダンジョンの作成と海水の湖の作成をするか。
漁業もするつもりなのでかなり大きく作る。予定としては、琵琶湖の四倍のサイズ位を考えている。養殖もできるように考えているが、そこらへんは後でいっかな? 漁業や養殖の本を召喚してそれっぽくやって行こう。
という事でまずは、湖? ってそこの木材勿体無いじゃないか。ダンマスの能力で穴掘ると、木が消えちゃうんだよな、盛り上げる分には消えないのによくわからん。
よし、ここはクリエイトゴーレムで作成したゴーレムと魔核で、森を刈るのと枝打ちと資材置き場に運ぶものに分かれて作成しようか。とりあえず、魔石を三〇〇個ほど召喚して一緒に三〇〇体分の鉄を召喚しますかの。
マナポーションを飲みながらクリエイトゴーレムでアイアンゴーレムを作成していく。同一規格なのでイメージは簡単だ、問題なのは魔核の方だな、三〇〇個も作るのか。全部の同じ行動ができるように魔核を作成しておこう。
まだまだ命令を書き込む余地があるので、新規で何かする時に追加で書き込めばいいか。サクサク作っていこう。できた端から湖作成へまわしていく。
は~ここまで魔法使ったの初めてだな、何か頭痛がする。これって魔法の影響か? ここら辺は検証していかないとまずいな。今度あのチビ神にも聞いてみるか。
娘たちの作業を見ながら海からのダンジョンを作成していく。湖ができていないので、こっちからダンジョンを作れなかったため、海側から作る事にした。海の中タイプのダンジョンだけど、中にも探検できる空洞をきちんと用意するつもりだ。
ただ正解のルートには敵がでないようにしておくつもりだ。友好的な海に対応した獣人とかいるかもしれないし、いるならぜひ仲間になってもらいたいものだ。海水の湖にもそのうち魔物がわくはずなので、鍛えて海を守る戦力になってもらえたらすごい助かるな。
色々考えながら一日目の開拓作業が終わった。しばらくはこの変化の何もない状況が続くんだろうな。なんて考えてると、変なことが起こるからやめておこう。明日は生産スキルを上げながら様子を見てるか。
山の方にいるワイバーンが気になるな。スキルあげるのに使えそうだけど……こっちこねえかな体が大きければ、ドロップも多くなるから革とか大量に落とさないかな? まだ召喚リストに出てきてないんだよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます