第113話 今後の対策
坑道の開通が終わった後、ギルドと街の調査は鉱山全体をくまなく行ったため、一週間かかったがその間に妨害は無かった。まぁマップ先生をみて妨害に来る高レベルの人物はいなかったので安心していた。レベルの低い敵なら特に気にする必要もないと思っていたのだ。
俺も一週間遊んでいたわけではない。憎き王直属の高レベルのやつらは、フレデリクとリーファスの各街の一個手前の街に留まっていたので、監視の目を強めて監視していた。
接触があったと思われる奴には、一応マーキングをしておいたが、フレデリクやリーファスの街まで移動する者はいなかった。明らかに何かを仕掛けようとしている感じだが、何をしたいのかはよくわからない……
後手に回るのは仕方がないので、街に残った娘たちには周りに警戒をするように指示して、リーファスの新人組には何かあってもいいように、いつでもフレデリクに移動できるよう準備をさせていた。
一週間ちょっといたケープマインに別れを告げ、フレデリクの街へ帰ることにする。やはり帰り道も雪はどけられておらず、帰るのに時間がかかったが、俺たちを狙っているやつらからすれば、倍以上の速さで進んでいるだろう。
ただ何が目的なのかが良く分からないため、色々警戒する必要があるだろう。フレデリクの家に入ってしまえば、四大精霊の結界があるのでちょっかいだされないだろうが、新しく購入した周りの家や土地には何かしらあるかもしれないな。本当に何がしたいんだろうな?
家についてまずしたことは、ダンジョンの一角に牢屋を作ってケープマインで捕らえた3人を詰め込んだ。ここに来るまでに最低限の食事と水しか与えていない。
どんなに強い肉体を持っていても、栄養と水が無ければ何もできないのだ。シュリがいい例だろう、ある一定ラインの空腹へ到達すると、目に見えるように身体能力が下がるのだ。
まぁ罪人を牢屋に放り込んだ後は、もちろんみんなにお風呂に入るように指示する? 俺が何か言う前にみんなは行動を開始していた。ここに来てから毎日入るように言ってたためか、みんなも気に入ってくれているようだ。
はじめの頃は奴隷には過分な施しですとか言っていたが、ここに住む以上はお風呂に入ることも義務であると常々言ってた甲斐もあったもんだ。
俺はお風呂に入る前にシルキーたちに昼食のリクエストをする。寒かったので汁物のお蕎麦とうどんを希望して、トッピングに天ぷらを色んな種類出してもらいたいとお願いした。他にもおにぎりやサイドメニューを娘たちのためにお願いしておく。
体が冷えていたので、俺はさっさとサウナへ向かう。さすがに幌馬車だったので、寒さを完全に防ぐことがかなわなかったため、御者ではなかった娘たちと身をくっつけて帰ってきたのだ。
さすがに自分の家にいないのに過剰な改造もできないため、俺はイリアやシェリル等の年少組でも幼い娘たちを、後ろから抱き込むように自分にかけた毛布で包んで湯たんぽ代わりにしていた。ただ湯たんぽ代わりにしていたわけではなく、この状態でもできる勉強を一緒にしていたのだ。
お風呂から上がると娘たちは一分の隙もなく、きっちりとした姿で俺を出迎えてくれた。お風呂位はゆっくり入ってもらいたいんだけどな、これからの課題はそこだろう。
もちろん今日のお昼はリクエストしておいたお蕎麦とうどんだ。トッピングに天ぷらをリクエストしていたが、色々欲しいと言ったせいでシルキーたちが張り切ったのだろう。おそらく40種類くらいの天ぷらが並んでいる。
パッと見て分かるのは、かき揚げ・エビ・サツマイモ・イカ・レンコン……トッピング全部を制覇する前に、お腹がはちきれそうだ。これ見てたら天丼や卵とじ丼も食いたくなってきたな、今度お願いするかな。
お蕎麦は初めてか? ちょっと覚えていないが、みんなは大丈夫なのだろうか? 蕎麦ってアレルギーがある人もいるからな、大丈夫か?
まぁ心配することもなく、天ぷらそば、天ぷらうどんを楽しんでくれていた。どちらが美味しかったか色々意見を出し合っているな。今度、某お菓子メーカーのキノコタケノコ戦争でもしてみようかな?
食事も終わり、カエデとレイリーとピーチを集めて今後の対策を練ることにした。色々しなくてはならない事を箇条書きにしてみた。
・襲撃者からの情報を引き出す
・警戒網の強化
・娘たちの戦闘訓練
・格上と対峙した時の準備
パッと思いついたのはこの程度だったが、戦闘訓練、格上と対峙した時の準備は大事だろう。勝てないのに挑むなんて言うのは愚の骨頂だ。フェンリルの時だってきちんと色んな準備をしていたしな。その時に使わなかった奥の手もあるし、まだ実戦使用していないピースの存在もある。
他にも、今回の事を受けて極力使用は避けたい兵器も準備しているので、使用する際に娘達に守ってもらわなければならない事をきちんと伝達しておこう。戦闘訓練は無理しない様に今まで通りにダンジョンINダンジョンで頑張ってもらおう。
襲撃者からの情報収集はどうするべきだろうか? 奴隷の首輪がついているため、主人と登録されているであろう国王が生きているため、基本的に外すことができないとされている。
基本的にっていう事は裏技が存在しているのだが、奴隷を管理している国、国王の持ち物であるため裏技を行使できないのだ。
裏技というのも契約時に、国の法に触れない限りは強制的に奴隷契約を破棄できない、という項目があるが、国王が管理しているのなら法が存在してないので、俺を殺そうとしてきたことも不問になってしまうのだ。
「くそったれな国だな、何かいい方法がないもんかな? 奴隷の首輪も魔導具だし何か方法があると思うんだけどな? 精霊とか何か知らないかな?」
「ご主人様に矛を向けるなんて、この国は亡べばいいと思います」
おぃおぃ、ピーチが過激なこと言ってるぞ。
「ドワーフは物作りが得意とはいっても、魔導具の解析ができるわけじゃないしね。四大精霊にきいてみたら、何か分かるかもしれないかな」
普段の生活を見てるとポンコツ臭しかしない四大精霊だけど、いざって時は頼りになるやつらだから今回も期待するか。シルキーたちにノーマン・ガルド・アクア・メイを連れてくるようにお願いし集まるのを待つ。
揃ったので奴隷の首輪、魔導具について何か知らないか聞いてみう。
「ん~奴隷の首輪か、闇系統の技法が取り入れられているのだろう。シェイドなら何か知ってたかもしれないな」
「そうね、あの子ならこういう関係の魔法やスキル、魔導具に詳しいはずなんだけどね」
ガルドがシェイドという闇精霊なら知っていると言い、メイがその情報を肯定する。話しぶりからすると弟分みたいな感じかな? 闇精霊か、召喚リストにあったっけな?
【シェイド】
うん、イージーモード万歳!
召喚できるのは分かったので、光の精霊のレムも一緒に召喚する。ってレムって俺のイメージにはないんだが、こっちでは上位精霊みたいなものなんだろうか?
とりあえず召喚してみよう!
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