第9話 コーニエルとバート。

「君には『バート』という、昔からの親しい友達がいるみたいだね。」


「!?」


「その友達に危険が及んでもいいのかい?」


「……それは、脅しですか?」


「脅しかどうかと聞かれたら、脅しだよ。どうかな?引き受けてくれるね?」


「……分かりました……引き受けましょう。」


こうして、コーニエルは隣国の第一王子の命を狙うことになった。








コーニエルは、バートの家に来た。


「バート……。」


「コーニエルじゃないか!どうしたんだよ?暗い顔をして……。」


「いや、別に何でもないんだ。気にしないでくれ。ただ顔を見に来ただけだ。」


「……そうか。最近、僕も年をとってきて腰が痛いんだよなぁ。」


「バートは年をとるのが早いな。」


「違うよ!コーニエルが年をとるのが遅いんだろ!」


「そうか。」


「そうだよ!そういえば、コーニエルは何歳なんだ?」


「俺か?俺は99歳だぞ。」


「99歳!?全然、見えないな!!すごく若く見えるよ!!」


「そりゃそうだろ!!99歳って言ったら、ピチピチだろ!」


「いや、人間の99歳だったらヨボヨボだからな。」


「そうなのか……。じゃあ、バートは何歳なんだよ?」


「僕か?僕は59歳だよ。」


「そうなのか。老けて見えるな。」


「魔術師の59歳と人間の59歳を一緒にしてもらったら困るよ!」


「そうか。ごめん!」


このあとも、二人は他愛のない話を続けた。


コーニエルは、バートには絶対に危害を及ばさないようにしなくてはと思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る