初めて後輩との喫茶店③

「でもまずは伊吹と知り合い……いや、友達にならないとなんも出来ないよな」


「そうなんですよね〜私は伊吹先輩の事知ってますけど伊吹先輩は私の事知りませんし」


「学年違うから教室にも入りにくいし、部活はもう決まってんの?やっぱサッカー部のマネージャーか?」


まだ締切はしてないけどもう部活決めてサッカー部に1年が見学しに来てるって言ってたし碧も今日は行ってないだけでもうサッカー部のマネージャーとして入部届け出してんのかな?普通に考えたら伊吹と接点持つにはそれが一番いいしその方が色々チャンスとかもあるはず、実際にサッカー部でマネージャーと付き合ってる奴がいるって伊吹が言ってたし他の部でも結構そういうのあるらしいし


「別に私サッカー部のマネやろうとか思ってませんよ?」


「……え?伊吹いるのにか?入部した方が何かといいんじゃ」


「先輩その考え甘いですよ、甘すぎですね」


「そんな甘いか?」


「その先輩の甘い考えだけでお菓子作れちゃいますよ、いちご大福とか」


「……考えが甘すぎてお菓子作れるとか初めて聞いたぞ、しかも和菓子なのね」


初めてこんなこと言われたわ、しかも作れるお菓子和菓子かよ、もっと他にあっただろクッキーとかケーキとか、まぁ確かにいちご大福も甘くて美味しいけども……でもこんな言われるってことは俺と同じ考えの1年女子がいるってことか、


「まずですね、サッカー部のマネってサッカーの知識とかがある程度ないと無理なんですよ、それに好きでもない人とも接点が出来ちゃうと……その」


「まぁ大体わかるよ、でもそうだよな〜簡単にマネージャーってなれるもんじゃないよな」


碧にカフェオレを飲みながらそんな事を聞かされた。確かに好きな人がいるからとかそんな軽い気持ちでやるもんじゃないよな、うちのサッカー部かなり強いしスタメンになるにもめちゃくちゃ大変って聞いたし、顧問も監督もそんな人認めるはずないよな。


言いずらそうにしてるのはきっと告白とかそういうことだろう、碧の容姿でしかもマネージャーって事で部員にとっては癒しになるだろうし告白とかがめちゃくちゃ多くなるだろう、きっと……そういうのが嫌なのか、そう言えば伊吹も前に似たようなこと言ってたわ。モテる人にしか分からないこともあるだろうし結構仲良くなれるのでは?


「まぁ、中学の時からサッカー好きでサッカーやってる伊吹先輩のこと見て好きになったって人はマネージャーになったりしてるらしいですけど」


「なにそれ、って事はその子達は伊吹がいるからこの高校に入学した的な子達なの?」


「……まぁ、そうみたいですね」


「知らなかった、伊吹ってそんな有名人だったのか」


伊吹超有名人じゃん、もうここまで来るとアイドルだな、確かにあの容姿でサッカー上手けりゃそりゃ話題にもなるよな小学校の頃から独学で頑張ってたの見てたし嬉しいけどなんか遠いい存在になっちゃった感すごいわ、これは碧も強敵だらけだな


「まぁそういう事で部活は入らない予定です。なのでいつでも先輩と作戦会議できますよ?先輩は、こんな可愛いこと放課後いつでも合法的に会える事に感謝してくださいね?」


「はいはい、ありがたいですよ」


わざとあざとい仕草をしながら俺の方を向いてそう言う。


「話逸れましたけどどうやって伊吹先輩と距離を詰めたらいいでしょうか?」


「そうだな〜とりあえず明日は部活なしでスイーツ巡りの日だから一緒に行く?」


毎週水曜は部活休みだからその時は伊吹と一緒にスイーツ店を巡るっていうのを1年の頃からやってきて今やもう習慣になってて和菓子洋菓子問わずに近場のスイーツ店は巡って早1年ちょっと、近場のお店は大体制覇したと思う。ちなみに今まで俺が1番美味しいと思ったのは2駅先の碧蓮へきれんて言う和菓子屋である。あそこはお茶も美味しかったし一人で言ったりもしてるくらい気に入ってる、結構ポイントカードも溜まってきてるし


まぁ男子高校生が2人でスイーツ店を制覇してるって聞いたらなんか変な人たちだと思うよな俺もたまに伊吹は彼女作って2人で行けばいいんじゃね?って思うし


「……そんな日あるんですか?……でもいいんですか?私も言っても?なんか露骨じゃないですか?」


「大丈夫だろ、後輩っていえば多分伊吹も断らないと思うぞ?」


「じゃあご一緒させていただきますね」

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天然な後輩は俺の幼馴染が好きらしい 紅月鈴音 @AkatsukiSuzune

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