社会
バブみ道日丿宮組
お題:今年の地獄 制限時間:15分
社会
今年死んだ社員の数を覚えている人はいるのだろうか。
データによれば、我が国で約1万人。
それだけの若者、先輩社員たちが倒れていった。
名前だけあがる会社、あがらない会社。
そんな世界が日本という国。会社は責任をとらない。取るのは生命と運命。
そんな社会で生きるのは地獄しか残されてない。
平和なんてものはこの世に存在しない。
ならば、天国とはいったいどこにあるのか。
……わからない。
僕は、地獄を作る人間だ。
金が欲しいわけじゃない。やりたかったことをやっただけ。後悔はない。親も知人もいらない。罪を背負うのは社長だけでいい。
だからこそやりたいと面接を受けた人は全て合格にした。
残業もなく、ボーナスはある。
人海戦術。
人の数だけでやったに過ぎない。
その中でも去る人間は去った。
他の会社にいける計らいもした。
気に入らないことを書類に書いてもらった。改善はしよう。地獄を作ったのだから修繕しなければ、地獄を超えたものとなる。
僕は自分の全てを犠牲にして、22万人の社員を救うことはできた。
他の会社はわからない。売り上げは負けてない。仕事の数は負けてる。
……量より質。
そのおかげで、大手から仕事が多く入る。
大体のシステムが僕の会社で作られてるとは誰も思わないだろう。
もちろん、情報漏えいなんてものが存在してることは知ってる。
その汚れ仕事も僕の仕事。
生憎、同じ地獄に入った以上。背負うものは同じ。
何人もの行方不明者を作った。
その家族には多大の金を無記名で送った。
生命の変わりだ。
だが、会社の信用は金で解決できない。
地獄を地獄で与える。
それでしか人は理解できない。
平和なんてものはこの世界には存在しない。
誰かが得をすれば、損をする。
そんな社会システムが蠢いているのだからーー。
さぁ来年はどんな社員が地獄に堕ちてくのだろうか。
楽しみは多い。
壊れるものは壊れる。
汚れるものは汚れる。
遊ばれるものは遊ばれる。
抜かれるものは抜かれる。
そして、終わりは終わりを迎える。
社会 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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